米上院が暗号資産市場構造法「CLARITY法案」の7月中審議入りを目指すも課題山積

米国における包括的な暗号資産(仮想通貨)市場構造法案である「CLARITY法案(クラリティ法案)」について、米上院が2026年7月中に本会議での審議入りを目指していることが報じられました。主要な交渉担当者であるシンシア・ルミス上院議員は7月中の採決を見込むとしていますが、大統領の暗号資産による利益取得を制限する倫理条項など、依然として複数の課題が残されています。中間選挙を控えて審議時間が限られるなか、法案の行方は米国の暗号資産規制の明確化において極めて重要な局面を迎えています。

7月中の本会議審議入りに向けたタイムライン

米上院が暗号資産市場構造法「CLARITY法案」の7月中審議入りを目指すも課題山積

CLARITY法案の主要な交渉担当者である共和党のシンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州)は、2026年6月24日にテレビ番組に出演し、7月中に上院での採決を見込んでいると述べました。ルミス氏によると、7月4日までに法案の条文を公開して最終確認を行う段階にあり、その後7月中に動き出したい考えを示しています。

合意に向けた主な争点と残された課題

法案合意に向けた最大の争点となっているのは、ドナルド・トランプ大統領が暗号資産によって利益を得ることをどのように制限するかという倫理条項です。現在協議されている案では、トランプ氏の事業の多くを担う成人した子どもらは制限の対象外となる見通しであるとされていますが、調整は難航しています。

また、倫理条項以外にも以下の課題が残されています。

・ステーブルコイン(米ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計されたデジタル資産とされています)のステーキング報酬の扱い

・米国証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の欠員補充

上院多数党院内総務のジョン・スーン氏は、合意への道はあるものの時間が不足しつつあると言及しています。また、不正資金対策を担当する民主党のマーク・ウォーナー上院議員は、進展の遅さに懸念を示しており、超党派での迅速な合意には依然としてハードルが存在します。

成立までの道のりと業界への影響

CLARITY法案は、米国における暗号資産の規制上の分類を明確にし、SECとCFTCの監督権限を整理するための包括的な法案とされています。これが成立すれば、長年グレーゾーンとされてきた暗号資産関連ビジネスの法的な明確性が高まり、業界全体の成長を後押しする可能性があると見られています。

しかし、仮に上院で法案が可決されたとしても、法案の成立には下院との調整が必要です。下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長は、現在の法案を修正なしで処理することに難色を示しています。さらに、中間選挙が近づいていることから、議会が合意に達するための時間は極めて限られていると見られます。

ポイント

・米上院は包括的な暗号資産市場構造法案であるCLARITY法案について、2026年7月中の本会議審議入りと採決を目指しています。

・トランプ大統領の暗号資産による利益取得を制限する倫理条項が最大の争点となっており、調整が難航しています。

・ステーブルコインのステーキング報酬の扱いや、SEC・CFTCの欠員補充といった課題も依然として残されています。

・中間選挙が近づく中で審議のための時間が不足しており、上院内での合意形成や、その後の下院での修正対応が大きなハードルとなっています。

・法案が成立すれば米国の暗号資産規制の明確化につながるとされていますが、限られた時間の中で課題をクリアできるかが注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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