日本の暗号資産市場において、大手金融グループによる業界再編とステーブルコインの実用化が急速に進んでいます。SBIホールディングスは、暗号資産取引所を運営するビットバンクの完全子会社化に合意し、グループの暗号資産預かり残高は1兆円を超える規模に達しました。さらに、国内初となる信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の提供が開始され、初日の発行量が100億円相当に到達したほか、メタプラネットが株主優待にステーブルコイン「JPYC」を導入するなど、デジタルアセットの実社会への浸透が加速しています。
SBIグループによるビットバンクの完全子会社化と市場シェアの拡大
SBIホールディングスおよびその完全子会社であるSBICAHは、国内暗号資産取引所「bitbank」を運営するビットバンクの既存株主との間で、完全子会社化に向けた基本合意書および株式譲渡契約を2026年6月25日に締結しました。株式譲渡は2026年8月頃に実行される予定です。
今回の取引における取得価額の合計は467億円と発表されています。この買収により、SBIグループの暗号資産預かり残高は1兆円を超える規模に達する見込みです。SBIグループはこれまでも暗号資産関連事業の買収を続けており、今回のビットバンクの完全子会社化によって、国内における市場支配力をさらに強めることになります。
国内初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の誕生と初日100億円の発行
SBIホールディングスやSBI新生信託銀行、SBI VCトレード、Startale Groupなどが共同開発した日本円連動の信託型ステーブルコイン「JPYSC」が、2026年6月24日に提供開始されました。
イーサリアムのブロックチェーンエクスプローラーであるEtherscanのデータによると、提供初日である6月24日の18時50分時点で、JPYSCの発行量は100億JPYSC(100億円相当)に到達したことが確認されました。
JPYSCは、信託銀行が裏付け資産を管理する信託型のステーブルコインであり、従来の資金移動業型ステーブルコインのような100万円の送金制限を受けない特徴があるとされています。これにより、大口の送金や法人向けのユースケースなど、実社会における多様な決済手段としての普及が期待されています。
メタプラネットによるJPYCを活用した株主優待プログラムの導入
さらに、国内企業におけるステーブルコインの活用事例も登場しています。株式会社メタプラネットは2026年6月24日、Web3スタートアップのHashPortおよび日本円ステーブルコインを発行するJPYCとの提携による新たな株主優待プログラムの内容を発表しました。
このプログラムでは、対象となる株主に対して最大10万JPYCの日本円ステーブルコインが付与される予定です。企業が株主還元としてステーブルコインを直接付与する試みは、Web3やデジタルアセットを一般の投資家層へ普及させるための新たなアプローチとして注目されます。
ポイント
- SBIホールディングスがビットバンクの完全子会社化(取得価額467億円)に合意し、2026年8月頃に株式譲渡が実行される予定です。
- この買収により、SBIグループの暗号資産預かり残高は1兆円を超える規模に達し、国内市場における影響力がさらに高まると見られます。
- 国内初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」が提供を開始し、初日の発行量が早くも100億円相当に到達しました。
- メタプラネットがHashPortおよびJPYCと提携し、株主優待として最大10万JPYCを付与するプログラムを発表し、ステーブルコインの社会実装が進んでいます。