Coinbaseが手がけるイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「Base」において、2026年6月25日と26日に相次いで発生したブロック生成の停止障害は、シーケンサーのバグが原因であったことが明らかになりました。Baseのエンジニアリングチームが詳細な報告書を公開し、無効なトランザクションの処理プロセスに起因する不具合と、再起動時のバグが連続して影響したと説明しています。この影響により、Baseは予定していた新たなトークン規格に関連する「B20 Activation Registry」のメインネット展開を延期することを決定しました。
障害の発生と技術的な背景
Baseのエンジニアリングチームが公開した報告によると、6月25日と26日に発生したブロック生成の停止は、トランザクションの順序付けを行う「シーケンサー」のブロック構築ロジックにおけるバグが原因でした。
1回目の障害(116分間停止)では、無効なトランザクションの実行が失敗した際、システム内の「ジャーナル状態」が正しくクリアされませんでした。これにより、その後に実行された有効なトランザクションが誤った状態のまま処理され、結果として不正なブロックが作成されました。この不正なブロックをバリデーターノードが拒否したため、チェーン全体が停止することとなりました。
この問題に対して初回の修正が行われましたが、シーケンサーの再起動時に「レースコンディション(複数の処理が同時に実行されて競合する不具合)」と呼ばれる別のバグが残存していたため、翌26日に2回目となる20分間の停止障害が発生しました。
ネットワークの規模とB20展開延期への影響
Baseは、レイヤー2の分析サイトL2Beatによると、Total Value Secured(保護総額)が約110億ドル(1兆7600億円、1ドル=160円換算)に達しており、イーサリアムのレイヤー2ネットワークの中で第2位の規模を誇ります。その高い市場シェアから、今回の連続した障害は業界内で大きな注目を集めました。
今回の障害を受け、Baseは予定していた「B20 Activation Registry」のメインネット展開を延期することを発表しました。B20は、Baseに直接組み込まれる新しいトークン規格であり、ステーブルコインや現実世界資産(RWA)の管理を効率化するために設計された技術とされています。
Baseチームは今後、不具合を事前に検知するためのファジングテスト(ランダムなデータを入力してバグを検出するテスト手法)の強化や、バリデーターノードが異常時に自動で復旧できる自動リカバリー機能の実装を進め、ネットワークの安定性と信頼性の向上に努める方針を示しています。
ポイント
- Baseで発生した2日連続のブロック生成停止は、シーケンサーのブロック構築ロジックにおけるバグが原因でした。
- 1回目の障害は無効なトランザクション処理後のジャーナル状態のクリア漏れ、2回目は再起動時のレースコンディションという別のバグが引き金となりました。
- 保護総額約110億ドルを誇る主要なレイヤー2ネットワークでの障害として、運用の安定性確保の観点から業界内で注目されています。
- この障害の影響により、ステーブルコインやRWA向けの新規格に関連する「B20 Activation Registry」のメインネット展開が延期されました。
- Baseチームは今後、ファジングテストの強化や自動リカバリー機能の実装を通じて再発防止に取り組む方針です。