イーサリアム(ETH)トレジャリー企業であるSharplink(シャープリンク)が、約8カ月ぶりにイーサリアムの購入を再開したことが明らかになりました。ブロックチェーン分析プラットフォームLookonchainなどのデータによると、同社は2026年6月25日からの3日間で総額6240万ドル(約96億7000万円)にのぼる計3万9196ETHを購入しました。イーサリアム価格が年初来で約50%下落する中、同社が積極的な蓄積戦略を再開したことは、機関投資家やWeb3ビジネスパーソンにとって市場の動向を測る上で重要な意味を持ちます。
3日間で約3.9万ETHを集中購入、蓄積戦略を再開
シャープリンクは6月25日に5000ETHを購入したのを皮切りに、26日に5000ETH、27日に2万9196ETHと、3日間で合計3万9196ETHを買い増しました。この一連の購入額は総額6240万ドル(約96億7000万円、1ドル155円換算)に達しています。
同社は6月21日時点で87万6285ETHを保有しており、上場企業としてはTom Lee(トム・リー)氏率いるBitmine Immersion Technologies(ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ)に次ぐ、世界第2位のイーサリアム保有規模を誇ります。今回の集中購入は、同社が一時停止していたイーサリアムの蓄積戦略を本格的に再始動させたことを示しています。
価格下落局面を狙った積極的な買い増し
今回の積極的な買い増しは、イーサリアム価格が年初来で約50%下落している局面で行われました。相場の下落は同社の財務にも影響を与えており、2025年には暗号資産相場の下落を背景に7億3400万ドルの純損失を計上したことが報告されています。しかし、このような厳しい市場環境にあっても、長期的な価値を見据えて割安となった局面で買い増しを実行したと見られます。
なお、シャープリンクは保有するETHの運用にも取り組んでおり、2026年1月には1億7000万ドル相当のETHをステーキング(ネットワークのセキュリティ維持に貢献し報酬を得る仕組み)に回した実績もあります。
機関投資家の採用推進に向けた「Ethlabs」への支援
シャープリンクは自社のバランスシート強化にとどまらず、イーサリアムエコシステム全体の発展にも関与しています。ETH購入再開の直前となる6月23日には、元イーサリアム財団の研究者が設立した非営利組織「Ethlabs(エスラボ)」への支援を表明しました。
Ethlabsは、イーサリアムの共同創設者であるJoe Lubin(ジョー・ルービン)氏のほか、世界最大のETH保有企業であるBitmineやシャープリンクが共同で支援するプロジェクトです。イーサリアムを次の段階の機関投資家向け採用に対応させるための研究開発を行うとされており、実世界の資産(RWA)のトークン化やステーブルコイン、自律的なAIコマースなどがイーサリアム上で統合される未来を見据え、ネットワークの拡張性確保を目指しているとされています。
ポイント
- シャープリンクが約8カ月ぶりにETHの購入を再開し、3日間で計3万9196ETH(約6240万ドル相当)を買い増しました。
- イーサリアム価格が年初来で約50%下落する中での購入であり、割安な局面での積極的な蓄積戦略の再開と見られます。
- 同社は世界第2位のイーサリアム保有企業であり、保有資産のステーキング運用などにより、イーサリアムを生産的なトレジャリー資産として活用しています。
- 同社やBitmine、Joe Lubin氏らは、イーサリアムの機関投資家向けインフラを整備する研究開発組織「Ethlabs」を支援しており、エコシステム全体の成長にも寄与しています。