韓国の株式市場であるKOSDAQ(コスダック)において、7月1日より上場維持規則の改定が施行されます。この制度変更により、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の保有から利益を得ていた「DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)」と呼ばれる複数の暗号資産財務関連企業が、上場廃止のリスクに直面しています。暗号資産市場の低迷とKOSDAQ市場からの資金流出が重なり、対象企業の今後の動向が懸念されます。
新たな上場維持規則の導入とDAT企業への影響
2026年7月1日に施行される新たなKOSDAQ規則では、上場を維持するための最低時価総額の基準が引き上げられるとされています。この規制改革は、韓国市場における上場暗号資産財務(crypto treasury)プレーヤーの今後の扱いを再構築するものです。
これまでビットコインの保有や投資によって利益を上げていた複数のDAT企業が、この新規則の直接的な対象となっています。
韓国の報道などによると、複数のDAT企業において具体的な影響が懸念されています。例えば、Bitmax(ビットマックス)は時価総額が131億韓国ウォン(KRW)となっており、今年後半の最低基準である200億ウォンを下回っているため、上場廃止のリスクに直面しているとされています。また、Parataxis Ethereum(パラタクシス・イーサリアム)は時価総額が268億ウォンであり、今年後半の基準は満たしているものの、来年1月に施行される予定の300億ウォンの基準を下回っているとされています。さらに、Parataxis Korea(パラタクシス・コリア)は、資本浸食のため4月から取引が停止されており、上場適格性の実質審査を受けているとされています。
規制強化の背景と回避策の制限
今回の規制強化の直接的な要因として、暗号資産市場の低迷が挙げられています。ビットコイン価格は昨年ピーク時の約12万ドルから、今年5月には5万ドル台まで下落しており、DAT企業の帳簿上に多額の未実現評価損をもたらしたとされています。
また、改定された規則では、上場廃止を回避するために企業が従来用いていた「減資」や「株式併合」などの手段を制限する条項も追加されているとされています。
株価や時価総額が一定期間にわたり基準を下回った場合、管理銘柄に指定されて改善期間が与えられますが、期間内に基準を満たせなければ強制的な上場廃止手続きが進められる仕組みとなっています。状況が改善しない場合、該当する企業は早ければ来年1月にも正式な上場廃止プロセスに入る可能性があるとされています。
ポイント
- 韓国のKOSDAQ市場で7月1日より改正上場規則が施行され、上場維持のための基準が引き上げられます。
- ビットコインなどの暗号資産を保有・運用するDAT企業が、新たな規制の直接的な対象となり、上場廃止のリスクが高まっています。
- 暗号資産市場の低迷に伴う評価損とKOSDAQ市場からの資金流出が、DAT企業の時価総額低下に拍車をかけているとされています。
- 新規則では、減資や株式併合による上場廃止の回避が制限されており、企業のコンプライアンス要件が厳格化されているとされています。
- 基準を満たせない企業は、早ければ来年1月にも正式な上場廃止手続きが開始される可能性があるとされています。