一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は2026年6月30日、定時社員総会を開催し、新しい代表理事(会長)にコインチェック代表取締役会長執行役員の蓮尾聡氏が就任する新体制を承認しました。蓮尾氏がJVCEAの会長を務めるのは今回で2回目となります。現在、日本国内では暗号資産取引の規制根拠を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す制度改正が進められており、新体制はこうした大きな規制の過渡期における自主規制体制の強化を主導していくと見られます。
新体制の背景と蓮尾聡氏の再登板
新会長に就任する蓮尾聡氏は、日本長期信用銀行、UBS証券、三菱証券などを経て、2005年にマネックスグループに参画した経歴を持ちます。2019年にコインチェックの代表取締役社長執行役員に就任し、2024年6月からは同社の代表取締役会長執行役員を務めています。
蓮尾氏は2021年4月にもJVCEAの代表理事(会長)に選任されており、今回の就任は2回目となります。金融業界および暗号資産業界の双方で豊富な実績を持つ同氏の再登板は、暗号資産の規制が大きな転換点を迎えるなかで、業界の安定と規制対応を円滑に進めるための人事であると見られます。
金商法移行に伴う業界への影響と新体制の焦点
現在、日本国内では暗号資産取引に関する規制の根拠を、これまでの資金決済法から金融商品取引法(金商法)へと移す制度改正が進められています。この改正法案はすでに衆議院本会議で可決されています。
この法改正は、暗号資産を金融商品として明確に位置づけ、インサイダー取引規制の導入や情報開示の義務化など、投資家保護のためのルールを強化するものであるとされています。
JVCEAは、資金決済法に基づく「認定資金決済事業者協会」と、金商法に基づく「認定金融商品取引業協会」を兼ねる自主規制団体です。今回の会長交代により、金商法移行を見据えた自主規制体制の強化や、暗号資産の審査体制、責任準備金(不正流出などに備えた補償用の積み立て)を含む交換業者への規制対応などが、新体制における重要な焦点になると見られています。
特に暗号資産の審査体制については、JVCEAが「第三者委員会」の設置などを通じて体制強化を進めているとされており、法改正に適合した強固なガバナンスの構築が求められています。
ポイント
- JVCEAの新しい代表理事(会長)に、コインチェック会長の蓮尾聡氏が就任することが承認されました。
- 蓮尾氏の会長就任は2回目で、金融・暗号資産の双方に精通した知見を活かした再登板となります。
- 国内では暗号資産の規制根拠を資金決済法から金商法へ移行する制度改正が進んでおり、すでに改正案は衆議院本会議を可決しています。
- 新体制では、金商法への移行を見据えた自主規制体制の強化や、暗号資産の審査体制、交換業者に対する責任準備金規制への対応などが重要課題になると見られます。