ナスダックに上場するAvalanche Treasury Corpは、自社の継続企業の前提に疑義があることを米証券取引委員会(SEC)に報告しました。同社の株価は過去1ヶ月で93%下落しており、主要な資産であるアバランチ(AVAX)の保有ポジションの価値が購入価格の半分以下に減少したことが要因とされています。この事態は、単一の暗号資産を財務資産として大量に保有する企業モデルのリスクを浮き彫りにしており、Web3業界のビジネスパーソンにとっても注視すべき事例となっています。
財務状況の悪化と継続企業への懸念
Avalanche Treasury CorpはSECに対し、今年を乗り切ることができない可能性があるとして、継続企業の前提に関する懸念を表明しました。同社のナスダック上場株は過去1ヶ月間でその価値の93%を失う大暴落を記録しています。
この急激な株価下落の直接的な原因は、同社が保有する暗号資産AVAXの価値が大幅に低下したことにあります。同社のAVAXポジションの価値は、購入時に支払った金額の半分以下にまで縮小していると報告されています。
(検索情報の補足)
公開された財務報告によると、同社は当初約2億6,500万ドルを投じてAVAXを購入したものの、3月末時点におけるその保有資産の公正価値は約1億2,300万ドルにまで減少したとされています。これにより約1億4,200万ドルの含み損が発生し、第1四半期の純損失は2,678万ドルに達したと報告されています。
単一資産を保有する財務モデルのリスク
今回の事態は、特定の暗号資産を企業の主要な財務資産として保有する「シングルアセット(単一資産)型」のビジネスモデルが抱える脆弱性を示しています。
同社は、大量のAVAXトークンを保有し、それをステーキングすることで得られる収益を株主に還元する仕組みを構築していたとされています。しかし、暗号資産市場全体の価格変動に対してヘッジする手段が乏しかったため、AVAXの価格下落がそのまま企業のバランスシートに大きな打撃を与える結果となりました。ステーキングによる収益だけでは、資産価値の急激な減少を補うことができなかったと見られます。
企業側の説明と今後の対応
一方で、同社は資金調達や事業の継続に向けた対策についても言及しています。
報告書が提出される前に、同社は特別買収目的会社(SPAC)であるMountain Lake Acquisition Corp.との合併手続きを完了したとされています。同社はこの合併とそれに伴う融資の獲得によって流動性が改善したと主張しており、合併完了後の時点においては、今後12ヶ月間の継続企業に関する疑義は緩和されたと説明しているとの報道もあります。
しかし、同社の株価や資産価値が依然としてAVAXの価格推移と強く連動している事実に変わりはなく、今後の市場動向が同社の再建に決定的な影響を与える可能性があります。
ポイント
- Avalanche Treasury Corpは、株価の急落と保有資産の価値減少に伴い、SECに対して継続企業の前提に疑義があることを報告しました。
- 同社の株価は過去1ヶ月間で93%下落し、企業の存続自体が危ぶまれる状況に陥っています。
- 同社が保有する暗号資産AVAXのポジション価値は、購入時に支払った金額の半分以下に減少しています。
- 特定の暗号資産に依存する企業財務のリスクを示す実例として、今後の市場や企業の対応方針の点で注目されます。