イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーン「ポリゴンzkEVMメインネットベータ(Polygon zkEVM Mainnet Beta)」の開発を行うポリゴンラボ(Polygon Labs)は、2026年7月1日に同ネットワークのシーケンサーを停止しました。これは2025年6月に公表された、2026年中に同ネットワークを終了する計画に基づくものです。ポリゴンラボはユーザーに対し、資産の移行やポジションの解消をあらかじめ呼びかけていました。今後、同社は「ポリゴンPoS(Polygon PoS)」チェーンと、マルチチェーン統合ネットワークである「アグレイヤー(Agglayer)」の開発に注力を移す方針です。
シーケンサー停止に伴う資産の移行方法と注意点
ポリゴンzkEVMメインネットベータのシーケンサー停止に伴い、ネットワーク上に残された資産の取り扱いは、その保管状態によって異なります。
ウォレット内に直接保有されていた資産については、2026年7月1日の期限までにイーサリアムへブリッジされなかった場合、自動的にイーサリアムL1(レイヤー1)へと移行されました。これらの資産は、専用の請求インターフェースを通じてユーザー自身が請求できる仕組みが用意されています。ただし、この手続きを通じて請求されなかった資産は、2027年12月31日以降に放棄されたものとみなされるため注意が必要です。
一方で、シーケンサーが終了した時点で分散型金融(DeFi)プロトコルやマルチシグウォレット、ブリッジなどのスマートコントラクトにロックされていた資産は、上記の請求プロセスの対象外となります。公式ページの説明によると、7月1日の期限までに引き出されなかったDeFi上の資産は回収することができないとされています。
技術的背景とPolygon Labsが掲げる今後の戦略
ポリゴンzkEVMメインネットベータは、2023年3月にローンチされたイーサリアムのレイヤー2(メインチェーンの処理負荷を軽減し、高速かつ安価な取引を実現するセカンドレイヤー)ソリューションです。ゼロ知識証明(取引の具体的な内容を明かすことなく、その正しさを証明する暗号技術)を活用し、イーサリアムのスケーリング(規模拡大)を目指して提供されてきました。
今回のネットワーク終了は突発的なものではなく、ポリゴンラボが2025年6月に発表したロードマップに沿って実施されました。同社は今後、開発リソースを「ポリゴンPoS」と「アグレイヤー」の2つの主要プロダクトに集中させる計画です。
ポリゴンPoSは、EVM(イーサリアム仮想マシン)互換性を持ち、高速で低コストな取引を可能にするサイドチェーンとして広く利用されています。一方のアグレイヤーは、複数の異なるブロックチェーンを統合し、シームレスな相互運用性をもたらすことを目的としたクロスチェーン決済レイヤーです。これらの技術への注力により、ポリゴンエコシステム全体の効率性とユーザー体験の向上が図られると見られます。
ポイント
- 2026年7月1日に「ポリゴンzkEVMメインネットベータ」のシーケンサーが計画通り停止されました
- ウォレット上に残された未移行の資産はイーサリアムL1へ自動移行され、専用インターフェースから請求可能ですが、DeFi等にロックされた資産は回収不能となりました
- 請求手続きが行われない資産は、2027年12月31日以降に放棄されたものとみなされます
- ポリゴンラボは開発リソースを、既存のポリゴンPoSチェーンおよびマルチチェーン統合ネットワーク「アグレイヤー」へ集中させる方針です