L1ブロックチェーンのSeiが、技術文書「Giga Whitepaper V2」をリリースしました。この新たなアップグレードにより、取引確定までの時間(ファイナリティ)が250ミリ秒未満へと短縮され、秒間20万トランザクション(TPS)以上の高速な処理能力が維持される見込みです。さらに、実行前の取引内容を保護するプライバシー機能やプロトコルレベルでのMEV(最大抽出価値)耐性が追加されます。これにより、高速かつ安全なオンチェーン取引のインフラとしての機能向上が期待されています。
250ミリ秒未満の高速ファイナリティと20万TPS超のスループット
Giga Whitepaper V2では、Sei Gigaのコンセンサスプロトコルである「Autobahn(オートバーン)」の性能目標がさらに引き上げられました。従来のホワイトペーパーで目標とされていた400ミリ秒未満から、今回のアップデートにより250ミリ秒未満のファイナリティ実現を目指すとされています。
また、ネットワークの分散型バリデータセットを維持したまま、秒間20万件以上(200,000+ TPS)のトランザクションを処理する高いスループットを維持する設計となっています。これにより、Web2並みの実用性を確保しつつ、確実で迅速な取引確定を両立させることが可能になるとされています。
実行前プライバシーとMEV耐性を実現する「Sedna」の導入
今回のホワイトペーパーV2における重要な追加要素の一つが、プライベートトランザクションレイヤー「Sedna(セドナ)」の導入です。
Sednaは、トランザクションを断片化して複数のプロポーザーレーンに分散して送信する仕組みを採用しています。これにより、トランザクションの順序が確定するまで、個々のプロポーザー(ブロック提案者)が取引の全容を把握できないようにする「実行前プライバシー」が確保されます。取引が実際に実行されるまで、その詳細が外部に公開されることはありません。
さらに、決定論的なトランザクションの順序付けメカニズムを導入することで、特定のプロポーザーによる順序操作を防ぎ、プロトコルレベルでのMEV(最大抽出価値)や検閲のリスクをほぼ完全に排除することを目指しています。
業界への影響と今後の展望
Sei Gigaは、注文のファイナリティと実行、そしてその後のステート証明を分離する、初の「マルチプロポーザー(MCP)」EVMレイヤー1ブロックチェーンアーキテクチャを採用しています。
今回のアップデートは、オンチェーン取引において機関投資家やトレーダーが懸念するMEVやフロントランニング(先回り取引)のリスク、そして取引遅延を解決するためのアプローチとして注目されています。なお、このアップグレードは、既存のネットワークをオフラインにすることや、リジェネシス(ネットワークの初期化)を必要とせずに導入できるように設計されているとされています。
ポイント
- ファイナリティの目標値が250ミリ秒未満に短縮され、秒間20万件以上(200,000+ TPS)の高速処理が維持されます。
- プライベートトランザクションレイヤー「Sedna」により、実行前の取引内容が保護されるプライバシー機能が追加されます。
- トランザクションを断片化して分散処理することで、プロトコルレベルでのMEV(最大抽出価値)耐性と検閲リスクの排除を目指します。
- ネットワークをオフラインにすることなく、シームレスにアップグレードが導入される設計となっています。
- 機関投資家やトレーダーが重視する取引の即時性、公平性、セキュリティの向上に寄与する点で注目されます。