ドバイの仮想資産規制当局であるVARA(Virtual Assets Regulatory Authority)が、50番目となる仮想資産サービスプロバイダーのライセンスを承認しました。今回の承認によりドバイの規制された暗号資産市場はさらに拡大していますが、2025年末時点で実際に完全稼働していた企業は39社にとどまっています。この状況は、ライセンスの取得と実際のサービス開始との間には一定の準備期間が必要であることを示しています。本記事では、ドバイの最新の規制動向と、アジアの主要市場との比較について解説します。
ライセンス承認と実際の稼働状況におけるタイムラグ
ドバイの暗号資産規制を担うVARAは、新たに現実世界資産(RWA:現実世界の不動産などの資産をブロックチェーン上でトークン化したもの)のトークン化プラットフォームであるTribe Tokenisation FZEに対してライセンスを承認し、累積ライセンス発行数が50社に達しました。しかし、VARAの広報担当者によると、有効なライセンスを保有していることが直ちに商用サービスの開始を意味するわけではありません。新しくライセンスを取得した企業は、実際のサービス提供や顧客の受け入れを開始する前に、管理された運用段階を経る必要があるとされています。実際に、2025年末時点で完全に稼働していると分類されていた仮想資産サービスプロバイダー(VASP)は39社にとどまっており、ペーパー上の承認から実際の事業開始までに移行期間が存在することが浮き彫りとなっています。
グローバルなハブを目指すドバイとアジア主要市場の比較
ドバイは2022年3月に独立した暗号資産の専門規制当局としてVARAを設立し、デジタル資産ビジネスのグローバルハブとしての地位確立に努めてきました。ドバイのライセンス取得企業数である50社は、アジアの主要な競合地域と比較しても高い水準にあります。例えば、シンガポール金融管理局(MAS)が認可するデジタル決済トークンサービス提供企業は37社、香港証券取引監視委員会(SFC)が認可する仮想資産取引プラットフォームは13社となっています。ただし、各地域で規制の枠組みやライセンスの対象となるビジネスモデルが異なるため、単純な数値比較はできないとされています。
VARAによる多角的な市場活性度の評価
VARAは単にライセンスの発行数だけでなく、市場における実質的な活動を重視しています。市場の活性度を評価するにあたっては、取引量や運用資産残高(AUM)に加え、地域での雇用創出や監査済みの財務データ、物理的なオフィスの存在といった要素も総合的に考慮されるとしています。これにより、ドバイの経済アジェンダである「D33」を支える高度な人材の雇用や国際資本の流入を促進する狙いがあると見られます。
ポイント
- ドバイの規制当局VARAが50社目となる仮想資産サービスプロバイダーのライセンスを承認しました。
- 50社目の承認先は、現実世界資産のトークン化プラットフォームであるTribe Tokenisation FZEです。
- 2025年末時点で完全に稼働している企業は39社であり、ライセンス取得から実際のサービス開始までに準備期間が必要であることが示されています。
- ドバイのライセンス取得数はシンガポールの37社や香港の13社を上回りますが、規制制度が異なるため単純な比較はできません。
- VARAは取引量や雇用創出、地域経済への貢献度などを通じて市場の活性度を総合的に評価する姿勢を示しています。