英国の規制当局は、国家リテール決済ロードマップであるナショナル・ペイメンツ・ビジョンの更新版を公開しました。この更新版では、将来の決済システムにおけるコアインフラとして、トークン化のサポートや新しい形態のデジタルマネーとの相互運用性を確保することが求められています。本方針は、多様なデジタルマネーが共存するマルチマネー・エコシステムの実現に向け、決済の近代化と技術革新を後押しするものとして注目されます。
決済インフラにおけるトークン化とプログラマブル決済の推進
英国財務省は、決済ビジョン提供委員会に代わって発表した更新版の中で、トークン化技術や新しい形態のデジタルマネーを将来のリテール決済エコシステムのコアインフラに組み込む必要性を提唱しました。
特に、トークン化技術を活用したプログラマブル決済(あらかじめ設定された条件に基づいて自動的に実行される決済)が、国内の決済イノベーションを支援する具体的なプロダクトレベルの取り組みとして挙げられています。この更新版は、新興のデジタルマネーが伝統的な決済システムと相互に作用できるインフラの構築を求めており、多様な決済手段が共存する環境づくりを目指しています。
英国金融行動監視機構による暗号資産規制フレームワークのスケジュール
この決済ロードマップの更新に先立ち、英国の金融行動監視機構(FCA)は、包括的な暗号資産規制フレームワークを公開しました。この新たな規制体制の導入に向け、具体的なスケジュールが示されています。
暗号資産関連企業に対するライセンスの申請窓口は、2026年9月から2027年2月28日まで開かれる予定です。その後、2027年10月25日に新しい規制制度が本格的に始動するとされています。
対象となる事業者には、暗号資産の取引プラットフォーム、カストディアン(暗号資産の保管・管理業者)、ステーブルコイン発行体、ステーキング提供企業、その他の仲介業者が含まれます。英国国内で事業を継続、または新規に展開するためには、この新たな枠組みの下で金融行動監視機構からの認可を取得することが義務付けられます。
ポイント
- 英国財務省がナショナル・ペイメンツ・ビジョンの更新版を公表し、リテール決済インフラにおけるトークン化とデジタルマネーのサポートを求めました。
- トークン化やプログラマブル決済の導入により、伝統的な決済システムと新しいデジタルマネーが相互運用できるマルチマネー・エコシステムの構築を目指しています。
- 英国金融行動監視機構は新たな暗号資産規制フレームワークを公表しており、関連企業向けのライセンス申請を2026年9月から受け付ける予定です。
- 取引プラットフォームやカストディアン、ステーブルコイン発行体などは、2027年10月の制度本格始動までに金融行動監視機構の認可を得る必要があります。
- 国家レベルでデジタルマネーと伝統的な決済インフラの融合を図る今回の動きは、Web3ビジネスの法的な位置づけや普及の観点から重要視されます。