アバランチ・トレジャリー・コーポレーションの株価急落と事業継続の危機

ナスダックに上場するアバランチ・トレジャリー・コーポレーション(Avalanche Treasury Corp)の株価が急落し、同社は米国証券取引委員会(SEC)に対し、事業を継続する能力であるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)に重大な疑念があることを報告しました。同社が財務資産として保有する暗号資産アバランチ(AVAX)の価値が、購入額の半分以下に減少したことが主な要因とされています。この出来事は、特定の暗号資産を大量に保有する企業財務戦略のリスクと課題を浮き彫りにした事例として、Web3業界で注目されています。

株価の急落と事業継続への重大な疑念

アバランチ・トレジャリー・コーポレーションの株価急落と事業継続の危機

同社のナスダック上場株式(ティッカーシンボル:AVAT)の価値は急激に減少しています。一部の報道では1ヶ月で93%下落したとされている一方で、別の報道ではデビュー(上場)以来73%急落したとされており、算出基準によって数値に相違が見られます。

この深刻な株価下落を受け、同社は第1四半期末時点で、事業を継続する能力に「重大な疑念(substantial doubt)」があることをSECへ提出した書類などで表明しました。現在の状況から、年内を生き残れない可能性があると警告しています。

保有する暗号資産AVAXの価値半減が財務を圧迫

事業継続の前提が揺らいでいる最大の要因は、同社が保有する暗号資産アバランチ(AVAX)の価値が大幅に下落したことにあります。

同社はAVAXを大量に保有していますが、その価値は購入額の半分以下にまで減少しました。外部の報告によると、同社はAVAXの取得に約2億6500万ドルを支払ったものの、その評価額は2026年3月末時点で約1億2300万ドルにまで落ち込んでいたとされています。この保有資産の価値低下に伴い、第1四半期に多額の評価損を計上したことが財務を大きく圧迫していると見られます。

暗号資産保有型ビジネスモデルの課題

今回の事態は、企業の財務資産(トレジャリー)として特定の暗号資産を大量に抱えるビジネスモデルが抱えるリスクを示しています。暗号資産市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)が企業のバランスシート(貸借対照表)に直接反映されるため、市場の下落局面においては企業の存続そのものが脅かされる可能性があることが明らかになりました。

ポイント

  • アバランチ・トレジャリー・コーポレーションの株価が、1ヶ月で93%下落、あるいはデビュー以来73%急落したと報告されています。
  • 同社はSECに対し、事業を継続する能力(ゴーイングコンサーン)に重大な疑念があることを表明しました。
  • 経営危機の主な要因は、保有する暗号資産AVAXの評価額が購入時の半分以下に下落したことです。
  • 特定の暗号資産を財務資産として大量保有する戦略のリスクと脆弱性を示す事例として、今後の企業財務のあり方に一石を投じる点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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