米国で暗号資産の市場構造を規定する重要な法案であるCLARITY Act(デジタル資産市場透明性法案)の審議が進む中、業界団体Blockchain AssociationのCEOであるサマー・マーシンガー氏が、法案の障壁となっている倫理規定について言及しました。マーシンガー氏は、倫理を巡る議論は政治的な問題であり業界の直接の関心事ではないとした上で、この論争によって法案全体の成立が阻まれるべきではないと主張しました。この発言は、上院での採決が間近に迫る一方で、超党派の合意形成において倫理規定が最大の焦点となっている背景を浮き彫りにしています。
倫理規定は政治の問題であり法案全体の成立を阻むべきではないと言及
業界団体Blockchain AssociationのCEOであり、元米国商品先物取引委員会(CFTC)のコミッショナーでもあるサマー・マーシンガー氏は、2026年7月16日にワシントンD.C.で開催されたイベント「Injective Summit」に登壇しました。マーシンガー氏は、CLARITY Actについて、主要な法案の文言はほぼ合意に達しているものの、倫理規定が大きな課題になっていると指摘しました。
同氏は、倫理規定に関してどのような決定を下そうとも、それは政治や議会、選出された公職者の問題であり、業界の直接の関心事ではないと述べました。その上で、倫理を巡る対立が原因で、法案の他の部分に注ぎ込んできたこれまでの多大な努力が台無しにされるべきではないと議員らに強く訴えました。
CLARITY Actと倫理規定を巡る議会の対立構造
CLARITY Actは、証券取引委員会(SEC)とCFTCの管轄権を明確に分類するなど、米国の暗号資産市場における規制の枠組みを定義する極めて重要な法案とされています。しかし、この法案の上院通過には超党派の支持が必要であり、民主党議員の一部は厳格な倫理規定が盛り込まれない限り法案を支持しない方針を示しています。
この背景には、ドナルド・トランプ氏や政府高官によるデジタル資産の利用、およびそれに伴う利益相反や汚職のリスクに対する懸念があるとされています。民主党議員らは、高官らが自身の利益のために規制を歪めることを防ぐための防護策を求めていますが、現在の草案からは倫理規定が除外されていると報じられています。
8月の議会休会を控えた今後のスケジュール
上院は8月の休会を控えており、法案可決に向けた時間的な猶予は限られています。合意が形成されれば、早ければ来週にも上院での採決が行われる可能性があるとされていますが、倫理規定を巡るホワイトハウスと民主党議員らの交渉次第でスケジュールが遅れる懸念も残されています。
暗号資産業界にとって、CLARITY Actの成立は規制の不確実性を解消し、米国におけるイノベーションや市場の健全な発展を促すために極めて重要と位置づけられています。倫理規定という政治的要因が法案全体の成否を握る現状に対し、業界側は一刻も早い市場構造の明確化を望んでいると見られます。
ポイント
- CLARITY Actの主要な条文は合意に近づいていますが、倫理規定の有無が最大の争点となっています。
- Blockchain Associationのサマー・マーシンガーCEOは、倫理問題は政治の領域であり、法案全体の成立を阻むべきではないと訴えました。
- 一部の民主党議員は、トランプ氏のデジタル資産保有を背景に、利益相反を防ぐ倫理規定の導入を強く求めています。
- 8月の議会休会を前に、早ければ来週にも上院で採決が行われる可能性がありますが、倫理規定を巡る合意が成立の前提とされています。