2021年9月、8歳の子供のNFT作品が海外コレクターに高値で売れたというニュースが世間を騒がせました。
このニュースでNFTという言葉を知った方も多いのではないでしょうか。
アーテイストの村上隆さんや漫画「ワンピース」で有名な集英社もNFTアートに参入しており、インターネットを使って敷居の高い有名アート作品の購入も簡単に購入することができます。
また、NFTはイラストや絵画だけではありません。
ストリートファイターやSKE48など有名キャラクターやアイドルのトレーディングカード、有名VTuberのキズナアイさんの3Dモデル、歩くだけで儲かるAgletなどのゲームなど、様々な形のものがNFT化されています。
更にぬいぐるみをお寺で供養しNFT化したぬいぐるみの写真をもらうぬいぐるみ供養、土地販売、NFTを担保にしたローン貸付事業といったネット外も含めた幅広いものが対象になっており、現実の身近なところにもNFTを始めるきっかけがあります。
2021年の12月には、過疎化が続く山古志村が住民票を兼ねたNFTアートを売り出したり、メルカリがパリーグ6球団と組んで名場面をコレクションするNFTを販売することが決定、また2022年にはローソンチケットやyoutubeがNFT事業に参入を発表しました。
特にyoutubeは人気youtuberヒカキンにgiftとしてNFTアートを送っており、その開封動画は話題になりました。
今回Pacific Metaマガジンではよく目にするものの、いまいちわかりにくいNFTの購入方法を以下の項目に分けて、初めての方にもわかりやすく説明していきます。
- NFTを購入するとどんないいことがある?
- NFTの購入の仕方とは?
- NFTを購入する際の注意点
- NFTには税金がかかる?
購入完了後、うっかり忘れがちな税金の話も紹介していきます。
NFTを購入するメリット
NFTとは非代替性トークンの略で、要は世界でたった一つしかない作品です。
2021年に流行語大賞にもノミネートされ論文も多く執筆されている、現在最も勢いのある分野の一つとなっています。
世界に一つしかないことをブロックチェーン技術を用いて証明しているため、NFTを手に入れる手段は普通の作品やコンテンツと比べて少々複雑です。
ですが、NFTには他にはないメリットが多くあります。
ここではNFTを購入するメリットと理由について説明します。
作品の所有者になれる
通常のデジタルアートは簡単にコピーすることが可能ですが、NFT化されているデジタルアートは世界に一つしかないことをブロックチェーン技術を用いて証明しているため、通常の作品と違い偽物が出回ることを心配する必要がありません。
また、ブロックチェーン技術は容易に改ざんすることが出来ないため、所有者を勝手に書き換えられることもありません。
NFT化されたデジタルアートは盗難や破損の危険性もなく、コレクターにとっては希少価値が高くなっています。
またこの所有者が書き換えられないという特徴を利用して、NFTを本人証明や権利証のように扱う所もあります。
例えば、NFTを限定割引クーポンとして扱うショップや、NFTを購入することで他の購入者と議論しながらゲームの製作を行うという権利を得ることが出来るNFT Loot(ルート)というプラットフォームなどです。
作品の価値がその後上がっていく可能性がある
株や不動産などと同じように、投資としてNFTを購入する人もいます。
購入したNFTの人気が高まり、その後価格が高騰した際、NFTは転売することができるからです。
転売した際もNFT製作者に一定の割合で手数料が入るシステムもあり、また有名人に購入してもらうことで話題になって値段が高騰するため、既存のコンテンツとは違い製作者にとっても転売はメリットがあります。
例えば2021年に発売されたBored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)という猿のイラストのNFTコレクションは、エミネムや関口メンディーなど有名人がこぞって購入しアイコンに使用したため人気が爆発、発売当初は176ドルだったにも関わらず最高300万ドルで取引されました。
短い期間でこれだけ高騰する可能性のあるコンテンツは、投資先としてはかなり魅力的だと言えるでしょう。
誰でも購入可能
アートを購入するというのは敷居が高いイメージがありますが、NFTでは登録さえ終えれば誰でも購入することが可能です。
よくニュースで見かける高額なNFTはオークション形式での売買が多いですが、定額で購入したり購入者が出品者に価格交渉可能な作品もあり、気軽に取引できます。
ただ初心者でも簡単に購入できるため、詐欺にあったという被害も多く報告されています。
紐づけされているSNSに公式アカウントマークが入っているかどうかなど、見分け方を調べてから購入しましょう。
NFTの購入方法は?
それではNFTは購入するにはどうすればいいのでしょうか。
以下の項目で説明していきます。
仮想通貨取引所の口座を作る
NFT購入の際には仮想通貨でのやりとりになるため、仮想通貨取引所に口座開設します。
口座開設時は免許証など本人確認書類が必要になります。
有名な取引所にはCoincheck(コインチェック)、DMM Bitcoin(ビットコイン)があります。
取引所によって手数料が変わるため、必ず下調べを行いましょう。
ウォレット(メタマスクなど)を準備・入金する
仮想通貨を安全に管理するためのウォレットを準備します。
有名なウォレットにはメタマスクと呼ばれるものがあります。
ウォレットが準備できれば、NFTを購入する仮想通貨を販売所が取引所で購入し、ウォレットに入金します。
NFT市場で一番有名な仮想通貨はイーサ(ETH)という、イーサリアムというブロックチェーン技術を利用した仮想通貨になります。
特に欲しい銘柄がない場合、ETHを購入しておけば間違いないでしょう。
また、取引所で仮想通貨を購入する場合最小取引単価が決められており、最低でもその額は購入しないといけません。
最小取引単価は仮想通貨や取引所によって異なりますので、予算を考える際には注意しましょう。
マーケットプレイスに登録してアートなどを購入する
NFTを購入できるサイトのことをマーケットプレイスといいます。
こちらで好みのNFTを探して購入しましょう。
有名なマーケットプレイスにはOpenSea、Foundation、楽天NFTなどがあります。
特にOpenSeaは作品数も多く、ウォレットと連携すれば登録なしで使用できるのがメリットです。
NFTマーケットプレイスは日本語対応している所がまだ多くありません。
別途手数料はかかりますが、慣れないうちは購入代行サービスを頼むのも一つの方法です。
NFTを購入する時におすすめのマーケットプレイス
ここからは、おすすめのマーケットプレイスを紹介していきます。
各マーケットプレイスには様々な特徴があるので、以下を参考に比較検討してみてください。
OpenSea
OpenSeaは2022年7月25日時点でNFTマーケットプレイスユーザー数ランキングのトップであり、NFT市場最大規模のマーケットプレイスです。
NFT出品数は2022年1月時点で8000万以上もあり、様々な種類のNFTが集まっているため自分の欲しいNFTを見つけやすいです。
またマーケットプレイスは英語表記のみが多い中、一部ですが日本語対応している部分もあり、初心者向けと言えます。
今後クレジットカード決済も可能になる予定で、実現すれば仮想通貨がなくても気軽にNFTを購入することができます。
LINE NFT
LINE NFTは日本発のマーケットプレイスです。
そのため日本語対応しており、ラインアカウントがあれば難しい手続きは必要なくLINE NFTを使用することができます。
また、LINE Payを利用し、仮想通貨がなくても日本円でNFTの取引ができます。
Coincheck NFT β版
仮想通貨取引所のCoincheck(コインチェック)による国内マーケットプレイスです。
ETHやBTC(ビットコイン)など、多くの種類の仮想通貨を取り扱っています。Coincheckの口座があれば利用できます。
またガス代と言われる手数料が0円なのも大きなメリットです。
NFTマーケットプレイスでNFTを購入する時の注意点
ここまででNFTの購入自体はそれほど難しくないことが分かったと思います。
それではどんなところに注意してNFTを選べばいいのでしょうか。
手数料(ガス代)が発生する
NFTの取引の際、ガス代と言われるNFTの取引手数料がかかります。
購入時のガス代費用は2000円~3000円が相場だと言われていますが、ガス代は仮想通貨の価値やNFTの取引状況によって刻々と変わるため注意が必要です。
また各マーケットプレイスによっても差があります。
手数料を経費に入れつつ、きちんと調べてから購入しましょう。
価格が変動しやすい
上記でも書いたように、NFTは株や不動産と同じように値段が日々変わります。
買値よりも値段が下がることがあるため、投資として購入した場合は購入後も注意が必要です。
購入したアートなどの保管場所が必要
NFTは仮想通貨のブロックチェーン技術を用いて作られていますが、容量の問題で全てをブロックチェーン上に保管することは難しいとされています。
そのため一部のデータのみがブロックチェーン上に保存され、コンテンツのデジタルデータ自体を含めた残りを外部の自前サーバーやIPFS(データーを複数のサーバーやパソコンに分散して保存する方法)で保存することが主流となっています。
OpenSeaは基本設定ではOpenSeaの持つサーバーで保存することになっており、容量の大きなデジタルコンテンツも保存することが出来ます。
しかし何らかの事情でOpenSeaのサーバーが使えなくなると、保存しているデータも使えなくなり、最悪消失するリスクもあります。
そのため1つのサーバーが使えなくなっても大丈夫であるIPFSでの保存が現在推奨されていますが、IPFSにもルールを満たさないと長期間保存が難しいというデメリットがあります。
このIPFSのデメリットを改善した同じ分散型ストレージであるArweaveというものもありますが、NFTゲームなど高度な処理が要求されるコンテンツの場合自前のサーバーを使うところがまだまだ多いようです。
そもそもNFTの保管場所はNFTの製造者(発行者)が決めます。
また購入後の返品は原則できないため、それぞれの保存方法のメリット・デメリットを考えてNFTを購入しましょう。
NFT購入した時は税金がかかる?
NFTの購入を行う際、仮想通貨で購入することがほとんどです。
その際、仮想通貨を購入した時より、価値が上がっていれば税金が発生する可能性が高いです。
ここで分かりやすく、NFTでメジャーな仮想通貨であるETHで例えてみましょう。
1ETHを20万円で購入したとします。
その後値段が1ETHのNFTを購入し、その時のレートが1ETH=30万円だったとしましょう。
「(実際手に入るのはお金ではなくNFTなのですが)ETHを売り払い、差額の10万円分の利益を得た」という解釈になり、この10万円が課税対象になります。
所得の分類は原則雑所得になると考えられます。
NFT市場の成長にともない、NFT購入後における税金の扱いについても今後変わることがあるかもしれません。
確定申告を行う際は注意してください。
NFTの購入についてのまとめ
今回Pacific MetaマガジンではNFTの購入について下記を紹介していきました。
- NFTを購入することで、①作品の所有者になれる、②作品の価値がその後上がっていく可能性がある、③誰でも購入可能というメリットがある
- NFT購入の始め方は、①仮想通貨取引所の口座を作る、②ウォレット(メタマスクなど)を準備・入金する、③マーケットプレイスに登録してアートなどを購入するという方法で行う
- NFTを購入できるマーケットプレイスには、OpenSea、LINE NFT、Coincheck NFT β版などがある。それぞれのマーケットプレイスに特色があるため比較検討しよう
- NFTマーケットプレイスでNFTを購入する時の注意点としては①手数料(ガス代)が発生する、②価格が変動しやすい、③購入したアートなどの保管場所が必要などがある。いずれにしてもしっかり下調べが必要
- NFT購入の際、購入に使う暗号資産が元値より値上がりしていた場合に税金がかかる。今後法改正で変わることがあるかもしれないので注意が必要
NFTの購入にはいくつか注意点がありますが、それを守りさえすれば簡単に購入可能です。
まだまだ将来性がある市場なので、儲けることも可能です。
新規参入が少ないうちにNFTを始めてみましょう。