NFTには様々なジャンルの商品がありますが、中でもアート分野はメジャーなジャンルの1つとなっています。
最近になってNFTアートに興味を持ち始めたという方も多いのではないでしょうか。
今回Pacific Metaマガジンでは、NFTアートのマーケットプレイスについて説明をおこないます。
この記事の内容は以下の通りです。
- NFTマーケットプレイスとは
- NFTマーケットプレイスの選び方
- 有名NFTマーケットプレイスを一覧で比較
- 初心者におすすめなNFTマーケットプレイス
- NFTマーケットプレイスでの取引手順・注意点
- 主要NFT関連の仮想通貨銘柄一覧
- NFTアートを購入した後は?
初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
NFTアートとは?
まずは簡単に、NFTアートについての説明をおこないます。
特に初心者の方は一度目を通しておきましょう。
NFTとは
NFTは日本語では非代替性トークンなどと訳され、替えの利かない唯一の資産といった意味を持ちます。
デジタルデータでありながら同じものが2つとして存在しないため、その希少性などが人気に火を付けました。
NFTアートとは
NFTアートは、デジタルアートをNFT化したものです。
アートなので実用性は特に無いですが、芸術作品と同じように超高額で取引されることもあります。
NFTアートではドット絵なども人気があり、制作者が必ずしもプロであるとは限らないのが面白いところです。
NFTマーケットプレイスとは
NFTの取引がおこなわれる場所をマーケットプレイスと呼び、NFTはデジタルデータなので基本的にはオンラインで取引されます。
NFTマーケットプレイスでできる取引
マーケットプレイスでは、様々なジャンルのNFTが絶え間なく売買されています。
マーケットプレイスでおこなわれる取引には、制作者が販売をおこなう「一次販売」や転売された商品が並ぶ「二次販売」があり、クリエイターだけではなく投資目的で売買をおこなう人も大勢います。
NFTマーケットプレイスで取引をするメリット
続いては、NFTの売買がなぜ人気を集めているのか、取引をするメリットを紹介します。
「ここでしか手に入らないもの」がある
NFTは全てが一点物なので、一期一会の出会いがあります。
芸術品や骨董品を探すような感覚でNFTアートを探している人もいるでしょう。
将来的に価値が上がる可能性がある
NFTは発展途上の技術なので、投資目的で売買している人がかなり多く見られます。
これから取引をおこなう人がさらに増えてくると、NFTの値段も全体的に上がっていくと予想されています。
誰でも自由に取引できる
NFTは国境を越えて取引できるのが大きな強みです。
売買には仮想通貨が使われることがほとんどで、ある意味では全世界の人々が平等に取引できるとも言えるでしょう。
NFTマーケットプレイスの選び方
マーケットプレイスは国内外に様々なサービスが展開されています。
この見出しでは、選び方の基準をいくつかご覧ください。
取扱コンテンツで選ぶ
デジタルコンテンツであれば基本的に何でもNFT化することができますが、マーケットプレイスごとにメインとなるジャンルがいくつか存在します。
NFTアートを扱いたいのであれば、アートを得意にしているマーケットを選ぶようにしましょう。
利用可能通貨で選ぶ
NFTは仮想通貨で取引することがほとんどなので、対応している仮想通貨の種類で決める方法もあります。
また、円やドルなどの法定通貨で取引できるところもあるので、決済手段についてはよく確認しておきましょう。
手数料(ガス代)で選ぶ
NFTの売買をするにあたっては手数料がどうしてもかかってくるため、各種手数料が安いところを選ぶのも1つの方法です。
仮想通貨の取引にかかるガス代(ネットワーク手数料)が負担としては大きく、それ以外にもマーケットプレイスに払う販売手数料などが一定の割合でかかってきます。
信頼性で選ぶ
万が一のリスクとして、サイトがハッキングされるといったトラブルの可能性も考える必要があります。
少しでもリスクを抑えるため、ある程度有名で信頼性の高いマーケットプレイスを選ぶようにしましょう。
【海外】有名NFTマーケットプレイスを一覧で比較
マーケットプレイスの選び方が分からないという方も多いと思うので、各サービスの違いについて表で比較していきます。
まずは、海外の有名マーケットプレイスについて4つ記載しました。
OpenSea | SuperRare | Rarible | Nifty Gateway | |
アート以外の 取扱コンテンツ |
NFTゲーム、トレカ、音楽など | アートのみ | NFTゲーム、写真、音楽 | デジタルミュージック、ブロックチェーンゲーム |
利用可能 暗号資産 |
ETH、WETH、SOL、USDC、DAI、MATIC、KLAY | ETH | ETH、FLOW、SOL、XTZ、MATIC | ETH、ENJ |
円への対応 | なし | なし | あり(クレジットカード決済) | なし |
手数料 | 販売手数料、ガス代(出品は初回のみ) | 購入手数料、ギャラリー手数料(販売側) | ガス代(販売・購入手数料) | 販売手数料 |
対応ウォレット | MateMask、TorusWallet、Portisなど | MetaMask、Fortmatic、WalletConnect | MateMask、Torus、Portisなど | オリジナル |
対応 ネットワーク |
Ethereum、Polygon、Klaytn、Tezos | Ethereum | Ethereum | Ethereum |
公式サイト | OpenSea | SuperRare | Rarible | Nifty Gateway |
手堅く選ぶなら、まずは圧倒的知名度を誇るOpenSeaに登録しておきたいところです。
色々なマーケットプレイスを使いたいなら、汎用性の高いETH(イーサリアム)を持っておけば安心でしょう。
【日本】有名NFTマーケットプレイスを一覧で比較
続いては国内のマーケットプレイスも見ていきます。
国内のサービスは、日本語で利用できるのが何よりのメリットです。
Adam byGMO | Coincheck NFT(β版) | SBI NFT(nanakusa) | LINE NFT | |
アート以外の 取扱コンテンツ |
マンガ、イラスト、トレカ、音楽、スポーツ、YouTuber | NFTゲーム、トレカ | 写真、トレカ、音楽、動画など | キャラクター、ゲーム、音楽、スポーツ、有名人、メタバース |
利用可能 暗号資産 |
ETH | BTC, ETH, MONA, LSK, XRP, XEM, LTC, BCH, XLM, QTUM, BAT, IOST, ENJ, OMG, PLT, SAND |
ETH、MATIC | LINK |
円への対応 | あり(クレジットカード、口座振込) | なし | あり(クレジットカード決済) | あり(LINE Payからの決済) |
手数料 | 決済手数料(クレカ使用の場合)、振込手数料(日本円振込の場合)、二次販売手数料、ロイヤリティ、ガス代 | ガス代(入庫・出庫時)、販売手数料 | プラットフォーム手数料、パートナー手数料、ガス代 | コンテンツ料(販売側) |
対応ウォレット | MetaMask | MetaMask | MetaMask | LINE BITMAX Wallet |
対応 ネットワーク |
Ethereum | Ethereum | Ethereum | 独自ブロックチェーン |
公式サイト | Adam byGMO | コインチェック | SBINFT Market | LINE NFT |
最近では、決済手段として日本円に対応するところも増えてきました。
初心者におすすめなNFTマーケットプレイス
続けて、初めて利用するのにおすすめしたい国内のマーケットプレイスを3つ記載します。
【販売手数料が無料】LINE NFT
LINE NFTは、LINEのアカウントがあればすぐに登録できるため、始めるまでのハードルが非常に低いです。
独自ブロックチェーンや仮想通貨を使っているため、販売手数料・ガス代無料で利用することができます。
【仕組みが簡単】Adam byGMO
Adam(アダム) byGMOは取り扱うジャンル数が多い、操作が直感的に分かりやすくて使いやすいといった特徴を持つマーケットプレイスです。
ジャンルとしてYouTuberを取り扱っているなど、動画ジャンルに強いサービスでもあります。
【出品しているのは公認クリエイターのみ】SBI NFT(nanakusa)
SBI NFTはアーティスト登録制のマーケットプレイスとなっており、一次販売は公認を受けた人と提携しているパートナーのみに許可されています。
旧名称「nanakusa」からは変更され、サイトもリニューアルしているので注意してください。
NFTマーケットプレイスでの取引手順
マーケットプレイスでNFTを売買する手順についても簡単に説明していきます。
NFTマーケットプレイスでの購入
まずはNFTを購入するやり方について流れを紹介します。
①仮想通貨取引所に登録
NFTは仮想通貨で取引をすることが多いため、取引所に登録しておきましょう。
ひとまずは国内のサービスに1箇所登録しておけば大丈夫です。
②仮想通貨を購入
取引所に登録したら、仮想通貨の購入に移ります。
イーサリアムなら大抵のマーケットプレイスで使えるため、最初に購入する銘柄としておすすめです。
③ウォレットを作成
ウォレットは仮想通貨を保管しておく財布で、マーケットプレイスと連携して取引に使います。
マーケットごとに対応しているウォレットは違いますが、MetaMask(メタマスク)であればほとんどのサービスに対応しています。
④仮想通貨を送金
仮想通貨とウォレットを準備したら、予算を決めて仮想通貨をウォレットへ送金します。
送金の操作を間違えると資産をロストしてしまうので慎重におこないましょう。
⑤NFTマーケットプレイスに登録
上で紹介したおすすめなどを参考にしてマーケットプレイスへ登録します。
慣れてきたら、目的に合わせて複数登録して使い分けても良いでしょう。
⑥ウォレットを登録
マーケットプレイスの登録時にウォレットと連携することを求められます。
マーケットプレイスへ登録するまでにはウォレットの作成を済ませておきましょう。
⑦NFTを購入
ここまで来たら、あとはマーケットプレイスへログインしてNFTを購入すればOKです。
ほとんどのサービスで購入手数料がかかることに注意しましょう。
NFTマーケットプレイスでの販売
続けてNFTを販売する場合の手順も見ていきましょう。
また、出品に合わせてSNSなどでマーケティング活動をおこなわないと、簡単には売れないかもしれません。
①NFTを作成
一次販売をする場合はデジタルアートを作成する、二次販売であればNFTを購入しておくことが必要です。
作り方は普通のデジタルコンテンツと同じですが、ファイルサイズや拡張子はマーケットごとに指定されているので合わせましょう。
②NFTマーケットプレイスに登録
出品するデータを用意したら、ファイルをマーケットプレイスへ読み込ませます。
この際にNFT化の処理をおこなうことが可能です。
③NFTマーケットプレイスで出品
値段を決めて、コメントなどを記載したら出品します。
サービスによってはオークション形式などもあるので、出品形式は事前に確認しておきましょう。
多くのマーケットプレイスで出品・販売時に手数料がかかることには注意してください。
NFTマーケットプレイスで取引をするときの注意点
NFTを扱う上では頭に入れておきたい注意点や問題点などがありますので、今回はそれらを6つ紹介します。
必ず稼げるわけではない
NFTに関する高額取引のニュースなどをよく見るかもしれませんが、現状では販売する人があふれており出品すれば売れるとは限りません。
売る確率を上げるためには、マーケティング活動を並行しておこないたいところです。
偽物をつかまされる場合がある
普通のネットショップでもありそうな事例ですが、NFTでも有名作品を似せたような偽物が出回っています。
出品しているユーザーをチェックするなどして警戒しましょう。
また、買ったはずのNFTが届かないといったトラブルもあるので、何か起きた際の連絡先なども確認したいです。
フィッシングサイトが存在する
SNSからのリンク誘導などで、類似した偽サイトに誘導される被害も出始めています。
最初は検索エンジンからアクセスして2回目以降はお気に入りから行くなど、怪しいリンクを踏まないようにする工夫をしましょう。
ハッキングのリスクがある
残念ながら、マーケットプレイスがハッキングされるリスクもゼロではありません。
また、勝手にウイルス入りのNFTがウォレットに送られてくるなどの事例もあるので、その際は情報を盗まれたりしないようきっちり削除することが大事になってきます。
法整備ができていない
NFT・仮想通貨は登場して日が浅いため、特に国内では法律やルールが未成熟な部分も見られます。
規制が緩いのを良いことにルールの抜け穴を突こうとするユーザーもいるので、油断しないようにこちらも知識をつけるようにしましょう。
きちんと知識を持ったうえで取引をする必要がある
実際に取引をする前に、仮想通貨やNFTに対する基本的な知識は身につけておきたいところです。
例えば仮想通貨・NFTのトレンドや偽物の見分け方などは、ある程度分かっていないと大損してしまう可能性もあります。
主要NFT関連銘柄一覧
ここでは、NFT関連銘柄となっている仮想通貨の一例を記載します。
イーサリアム | テゾス | エンジンコイン | サンドボックス | チリーズ | |
通貨単位 | ETH | XTZ | ENJ | SAND | CHZ |
現在価格※ | ¥194,957 | ¥208 | ¥65 | ¥124 | ¥31 |
時価総額※ | ¥23,909,624,503,888 | ¥190,348,767,674 | ¥65,722,392,488 | ¥185,939,782,855 | ¥187,705,222,041 |
時価総額 ランキング※ |
2位 | 40位 | 77位 | 44位 | 42位 |
主な 取扱取引所 |
国内・海外共 多くの取引所 |
国内ならbitFlyer、GMOコインなど | 国内ならCoincheck、GMOコインなど | 国内ならCoincheck | Binanceなど海外の取引所 |
※CoinMarketCap:2022年10月5日現在
仮想通貨の売買で大きな損得が発生することも珍しくないため、チャートなどをしっかり確認しておきましょう。
NFTアートを購入した後は?
NFTアートを買った後に出来るようになることもあるので、この記事最後の見出しとして、それらを紹介します。
さらにコレクションを集める
コレクションアイテムとしてNFTを集め続けることも1つの楽しみ方です。
ギャラリーのようにNFTを飾って楽しめるサービスもあるので、ある程度収集したらチェックしてみてみると良いでしょう。
二次販売をする
二次販売とはいわゆる転売です。
あまり良い印象を持っていない人も多いと思いますが、NFTの取引においてはほとんど禁止されていません。
需要のあるところで出品すれば大きく稼げる可能性もあるので、積極的に二次販売を狙っていきましょう。
コミュニティに参加する
NFT界隈のコミュニティに入るのも視野が広がって面白いです。
NFTを持っていることが参加条件になっているコミュニティも珍しくありません。
【注意】返品や返金はできない
こちらは注意事項ですが、NFTは購入後の返品・返金が原則できません。
当然、当事者同士で交渉すればできないことはないですが、その場合でもガス代などの手数料がかかるので損をしてしまいます。
NFTアートのマーケットプレイスについてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、NFTアートのマーケットプレイスについて以下の内容をご紹介しました。
この記事のポイントを改めて整理しましょう。
- マーケットプレイスでおこなわれる取引には「一次販売」と「二次販売」がある
- NFTの売買をするためには仮想通貨やウォレットなどを準備する必要がある
- 一次販売をするのであればデジタルアートを作成する必要もある
- マーケットプレイスの選び方としては「取扱コンテンツ」「利用可能通貨の種類」「手数料(ガス代)の高さ」「セキュリティ信頼性」などの基準がある
- 初心者であれば日本のサービスから始めてみるのが良い
- マーケットプレイスの利用にあたっては偽物の商品やフィッシングサイトの存在などにも注意したい
- NFTアートを購入した後は、二次販売やコミュニティへの参加なども検討したい
NFTや仮想通貨に対する知識を身につけた上で、利用するマーケットプレイスを判断していきましょう。