日本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Networkにより、2024年3月6日に「Astar zkEVM」というEthereumレイヤー2ブロックチェーンがローンチされました。また、Astar zkEVMのローンチに合わせ、Yoki Originsというローンチキャンペーンが実施されています。
JALやJR九州をはじめとした国内の様々な大企業やプロジェクトがローンチキャンペーンに参加しており「日本企業のWeb3開発でのファーストチョイス」として大きな注目を集めています。
本記事ではAstar zkEVMの概要や企業の利用事例を紹介の上、ローンチ記念キャンペーンであるYoki Originsについても解説していきます。
Astar zkEVMとは
Astar zkEVMとは、「Polygon CDK」というブロックチェーン開発キットを利用して開発されたブロックチェーンです。
Ethereumレイヤー2として立ち上げられたzkEVMの1つで、Polygonのグローバルな強みと日本市場における専門性を融合させ、「日本のWeb3開発における最も主流なブロックチェーン」にすべく開発されました。
また、Astar zkEVMはPolygon CDKのコア機能である「AggLayer」というプロトコルに接続される、初めてのPolygon CDK活用ブロックチェーンとなります。
「AggLayer」とは、同プロトコルに接続されたL1チェーンやL2チェーンがまるで単一のブロックチェーンかのようにシームレスに接続するプロトコルです。
Astar zkEVMは日本発のグローバルブロックチェーンであり、日本国内の企業やプロジェクトでも利用しやすいものになっています。
Gas代はEthereumと比較して約95~98%程度削減されており、EthereumやPolygonの開発コードをほぼ変更なしで使用できるなど、既存のWeb3ユーザーでも気軽に利用可能なことも大きな特徴です。
また、クレジットカード決済などの拡張ツールも備えているため、Web3になじみのないユーザーでも簡単に利用できます。
以上のような性質から、ローンチ直後から日本国内を中心に有名な大企業やプロジェクトが利用し始めており、国内外問わず注目を集めているブロックチェーンです。
Astar zkEVMの利用事例
Astar zkEVMは現在様々な大企業で採用されています。
代表的な企業は以下の通りです。
- JAL
- JR九州
- CASIO
- Candy Girl (ツインプラネット)
当記事では代表的な事例として、JALとJR九州の事例を紹介します。
JALのAstar zkEVM利用事例
JALは博報堂やBeyond clubと共同で、地域ごとに存在する特別な体験や現実資産(RWA)をNFT化した「KOKYO NFT」をAstar zkEVM上で発行しています。
国内外問わず販売しやすいNFTを媒体に、地方で得られるユニークな商品や体験を販売することで、地方の関係人口創出を目指すプロジェクトです。
「KOKYO NFT」の最大の特徴は、購入することで地方での体験や商品を得る権利が提供されることです。
例えば地方の酒蔵と提携したNFTを購入すれば、希少性の高い火入れ前の日本酒を酒蔵で飲む体験をする権利を得ることができます。
JALがAstar zkEVMを選んだ理由としては、Astar zkEVMが日本国内でのマーケティングに強く、海外ユーザーにもアプローチが可能なことが挙げられます。
また、クレジットカード決済が可能なことをはじめ、Web3になじみのないユーザーでも利用しやすいことも要因の1つと考えられるでしょう。
「KOKYO NFT」は現在開催中のAstar zkEVMローンチ記念キャンペーン「Yoki Origins」ともコラボレーションしており、キャンペーン内で「YoPort」と呼ばれるカプセルトイマシンを利用することで獲得が可能となっています。
「KOKYO NFT」のYoPortはgas代のみで利用可能なので、気になる方はぜひYoki Originsのサイトにアクセスし、「KOKYO NFT」を獲得してみてください。
JR九州のAstar zkEVM利用事例
JR九州は以前からAstar Networkを使用したプロジェクトとして、「JR九州NFT」プロジェクトを実施しています。Web3ユーザーと九州の接触点を増やすことを目的とした「JR九州NFT」プロジェクトは、JR九州の各駅にNFT取得用のQRコードを設置し、現地を訪れた人がQRコードをスマートフォンで読み込むことによって、各駅の駅名標NFTを獲得できるというものです。
上記の取り組みを実施している上で、JR九州はさらなるブロックチェーンの活用拡大や浸透を目指し、Yoki Originsに最初期から参加をしています。
JR九州のYoPortにはフリーミントのものもあるため、一部のNFTはgas代のみで獲得できます。
フリーミントのYoPortではJR九州で普通列車として運行している「813系」のNFTを獲得でき、有料のYoPortでは20周年を迎えた「九州新幹線つばめ(800系)」のNFTを獲得することが可能です。
Yoki Originsではクレジットカード決済も可能なので、有料のNFTも簡単に獲得することが可能です。
企業がAstar zkEVMを利用するメリット
企業がAstar zkEVMを利用するメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- ETHコミュニティである
- 日本国内でのマーケティングがしやすい
- 海外ユーザーやWeb2ユーザーにアプローチできる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
様々なコミュニティにアプローチできる
1つ目のメリットは様々なコミュニティにアプローチできることです。
Astar zkEVMはEthereumやPolygonの開発コードをほぼ変更なしで使用できるため、双方のユーザーにアプローチできます。また、Astar zkEVMは既存のブロックチェーンであるAstar Networkと、3つのVMで相互運用を可能にしており、Polkadotエコシステムからの開発者の流入も期待することが可能です。
また、ユーザーとしてはMetamaskなどのEthereum用のウォレットを流用できるため、参入障壁が低くなっていることもメリットです。Astar zkEVMにおけるGas代はほぼすべての取引所で取り扱いがあるETHなので、誰でも簡単にGas代を用意できます。
以上の点から、Astar zkEVMには多方面からのユーザーの参入が期待できます。特にASTRトークンの取引量が多い韓国や、Polygonが主流となっている北米からの流入は大いに期待できるでしょう。
日本国内での大きなプレゼンス
2つ目のメリットは日本国内でのマーケティングがしやすいことです。
Astarは日本国内のファンが多いこともあり、Astar zkEVMの開発環境である「Polygon CDK」を提供しているPolygon labsから、日本におけるプロジェクトやWeb2大企業の案件の展開を一任されています。
また、Astar Networkは日本発のブロックチェーンなので、他チェーンでは難しい国内在中メンバーによる日本語での対応が可能です。
国内のクリプトメディアとのつながりも強いため、国内でのマーケティングがスムーズに行えることもAstar zkEVMの強みといえます。
Web2ユーザーにアプローチできる
Astar zkEVMはWeb2ユーザーにもアプローチが可能です。
Astar zkEVMにはクレジットカード決済やソーシャルログイン機能、ガスレス体験を実現するためのツールが備わっています。
よって、Astar zkEVMを利用してアプリケーションを開発することで、今までWeb3に触れてこなかったWeb2ユーザーにも使いやすいものを生み出すことが可能です。
以上のメリットから、今後もAstar zkEVMを活用する企業が増加し、急速に展開されることが期待できるため、ユーザーとしては現段階から利用しておくのがおすすめです。
Yoki Originsとは
Yoki OriginsとはAstar zkEVMのローンチを記念して開催されているキャンペーンです。3月7日から5月上旬まで開催される予定で、キャンペーンに参加することでAstar zkEVMエコシステムを体験できます。
すでに多くのプロジェクトや企業が参加しています。現在の参加企業は以下の通りです。
- JAL
- JR九州
- CASIO
- Candy Girl(ツインプラネット)
- HIS
- BitGet (SUZUKI ジムニー NFTコラボモデル)
Yoki Originsに参加したユーザーは妖怪がモチーフのオリジナルキャラクターである「Yoki」のNFTを獲得することが可能です。
日本発のブロックチェーンであるAstar zkEVMのキャンペーンということで、Yokiのキャラクターデザインには国内のイラストレーターを採用するなど、キャンペーン内における世界観づくりに注力しています。
YokiのNFTはYoPortと呼ばれるカプセルトイマシンから排出され、複数体を融合することでYoPortから排出されないUpgraded Yokiを得ることも可能です。
YoPortにはYoki Originsに参加するプロジェクトが提供するものも存在し、プロジェクトのオリジナルNFTを獲得することもできます。
Yoki Originsに今から参加するメリット
Yoki Originsに今から参加するメリットは以下の通りです。
- 有名な大企業やプロジェクトのNFTを獲得できる
- エアドロップが実施される可能性がある
Yoki Originsは現状期間限定で開催されるキャンペーンなので、メリットをしっかりと把握し、参加し逃さないようにしましょう。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
有名企業やプロジェクトのNFTを獲得できる
ユーザーから見たYoki Originsを利用するメリットは、有名企業やプロジェクトのNFTを獲得できることでしょう。
知名度の高い企業やプロジェクトに関するNFTをサイト上で簡単に獲得できるので、Web3になじみのないユーザーでも安心です。
企業やプロジェクトのYoPortにはクエストが設定されていることがあります。
例えば、JR九州のYoPortでは、「JR九州Web3.0プロジェクト」のXアカウントをフォローすることがクエストとなっています。
ユーザーはクエストを行うことでNFTを入手でき、企業やプロジェクトとしてはYoki Originsを介して取り組みをアピールできるため、双方にとってWin-Winなシステムとなっているといえるでしょう。
YoPortによってはフリーミントで利用可能な他、有料なものでもクレジットカード決済で利用可能で、誰でも簡単にNFTを購入することが可能です。
気になる方はぜひYoki Originsのサイトにアクセスしてみてください。
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エアドロップが実施される可能性がある
Yoki Originsには、Loreというゲーム内ポイントシステムやリーダーボードが存在することが、AMAや「Yoki Origins 完全攻略マニュアル」にて明言されています。
過去に開催されたBlastなどのエアドロップキャンペーンでもポイントシステムやリーダーボードが導入されていることから、Yoki Originsでもエアドロップが行われる可能性が大きいと考えられます。
Yoki Origins 完全攻略マニュアルには、AstarのオリジナルキャラクターであるYokiを獲得、孵化、融合することや、特定のYokiの組み合わせを保有することなどで、Loreを獲得できると記載があります。
また、Yokiの獲得などのアクションにはゲーム内アイテムであるOMAを消費する仕組みになっているため、早い段階からYoki Originsに参加し、ログインボーナスでOMAを多く受け取っているユーザーが有利になる仕組みとなっています。
まだYoki Originsに参加されていない方は、Yoki Originisのサイトにアクセスしてみましょう!
まとめ:日本の大企業視点から見たAstar zkEVMの展望・将来性
Astar zkEVMとYoki Originsの概要やメリットについて解説してきました。
現在、市場が拡大基調にあることもあり、Web3に興味を示している日本企業は徐々に増加してきています。
Astar zkEVMは日本国内におけるマーケティングがしやすく、EthereumやPolygon、Polkadotコミュニティにアプローチできる他、クレジットカード決済などでWeb2フレンドリーな開発ができることから、今後Web3に参入してくる日本企業の選択肢に真っ先に入ってくるでしょう。
また、既にJALやCASIOなどの有名企業が参加している状況を見て、アジアをはじめとした海外のNFTプロジェクトからの関心も高いです。
幸い、現在はYoki OriginsというAstar zkEVMエコシステムを気軽に体験できるキャンペーンが実施されています。
Web3はAstar zkEVMの今後の展開に期待し、ぜひ今のうちからAstar zkEVMを利用しておきましょう。