日本銀行は1月23日金曜日に政策金利を0.75%に据え置くことを決定した。この決定は9人の政策委員のうち8対1の賛成多数でなされた。一部委員はインフレ圧力の高まりを理由に利上げを主張し、内部の緊張が示唆された。日本銀行は同時に、実質GDP成長率とコア消費者物価指数(CPI)の予測を上方修正した。一方で同日には衆議院の解散が承認され、政治的な不確実性が高まり、円安や債券利回り急騰など金融市場に構造的な影響を与えている。
発表内容の詳細
日本銀行は政策金利を0.75%に据え置くことを決定しました。この決定は政策委員会の8対1の賛成多数でなされました。
反対票を投じたのは政策委員会メンバーの高田創審議委員で、同氏はインフレ圧力の高まりと世界経済の改善を理由に金利を1.0%に引き上げるべきだと主張しました。この提案は反対多数で否決されました。
合わせて日本銀行は同時に経済見通しを上方修正しました。実質GDP成長率の予測は、2025年度が0.9%、2026年度が1.0%となり、昨年10月時点の予測(0.7%)から引き上げられました。
また、コアCPI(消費者物価指数)の予測も引き上げられ、2025年は3.0%、2026年は2.2%とされました。2025年12月の総合インフレ率は2.1%を記録しており、これは日本銀行が目標とする2%を45ヶ月連続で上回るもので数十年で最長の連続記録とされています。
構造的リスクと政治的不確実性
金利据え置きの決定と同じ日、高市早苗内閣は衆議院の解散計画を承認し、2月8日に解散総選挙を実施することが決定されました。これは過去最短の16日間の選挙運動期間となります。
高市首相は生活費高騰への対応として8%の食品消費税を2年間停止することを公約の中心に据えています。 また、次年度の予算案として過去最大の7830億ドルの予算を提案しており、これは財政拡大への懸念を強めています。
こうした懸念を背景に債券利回りは数十年ぶりの高水準に急騰しています。円は高市首相が就任した昨年10月以降、対ドルで4.6%下落し、現在約158.97で取引されています。
暗号資産市場では今回の決定に対しビットコインは即座の反応を示していませんが、日本のマクロ経済情勢の変化は構造的なリスクをもたらす可能性があります。長年、投資家は低金利の円で資金を借り入れ、暗号資産を含む高利回り資産に投資する「円キャリートレード」を行ってきました。
日銀が政策正常化を継続する兆候があること、また高田氏の反対票がより速い引き締めへの内部圧力を示唆していることから、円キャリートレードが急激に巻き戻されるリスクが増大しています。日銀のタカ派的な発言や外部ショックにより円が急激に上昇した場合、レバレッジをかけた投資家が円建て債務をカバーするため、リスク資産を清算する可能性があると見られています。過去には2024年8月に、日銀の利上げ観測の中で円キャリートレードが巻き戻され、ビットコインが急落した事例があります。
編集部コメント
円安と金利正常化への圧力が同時に進む局面では、一部で暗号資産市場を下支えしてきた円キャリートレードの前提が揺らぐ可能性があります。円金利の上昇や政治的な不確実性が強まれば、レバレッジを活用したリスク資産投資が調整を迫られる場面も想定されます。今後日本の動向は、暗号資産市場にとって「急落の引き金」や「資金の質が変わる転換点」として意識される局面に入りつつあるのかもしれません。