イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏、ウォレット機能を大幅に刷新する新提案を公開

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、ネットワークの次期フォーク「Hegota」において、アカウントの柔軟性を大幅に高める仕様を導入する計画を明らかにした。この計画の中心となるのは「EIP-8141」と呼ばれる提案で、長年課題となっていたアカウントのプログラム可能性を実現することを目指している。

発表内容の詳細

今回の提案は、イーサリアムのウォレットをプログラム可能なアカウントへと進化させるものです。これにより、複数の操作を一つにまとめるバッチ処理や、マルチシグ(複数署名)による管理、新しい署名方式への対応が可能になります。

ブテリン氏は設計を「フレーム・トランザクション(Frame Transactions)」という概念で説明しています。これは一連のアクティビティを複数の「フレーム」に分割して構成する構造です。具体的には送信者の検証、ガス代(ネットワーク手数料)支払者の承認、そして実際の実行という各プロセスを独立して処理できるようになります。

また、「ペイマスター(Paymaster)」と呼ばれるコントラクトの導入も重要な要素です。これにより、ユーザーはETH以外の資産で手数料を支払うことができるようになり、アプリケーション側がユーザーの手数料を直接肩代わりすることも可能になります。ブテリン氏は、この仕組みによって中間者への依存を最小限に抑え、イーサリアムのチェーン自体の機能を最大化できるとしています。

今後の展開

この新しいモデルは、ネットワークのプライバシー保護機能の強化にも寄与する見通しです。ペイマスターがゼロ知識証明を検証してガス代を支払う仕組みや、「2D nonce」の導入による複数ユーザーからの並列的なトランザクション受信が可能になるとされています。ブテリン氏は、EIP-8141がアカウント抽象化における残された課題を解決する包括的なデザインであると述べています。

編集部コメント

次期アップデートの内容が徐々に明らかになってきました。特に署名の複数化が標準化されると「秘密鍵の紛失=資産喪失」という宿命から解放され、法人から初心者まで誰もが安心できる安全性が実現します。使い心地の向上と安全性の担保が両立されると、イーサリアムはますますマスアダプションに近づいていくでしょう。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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