ビットコイン(BTC)を大量に保有するStrategy(ストラテジー)社は、15億ドル(約2300億円)相当の転換社債を割引価格で買い戻す計画を明らかにしました。買い戻し資金の調達手段として、保有するビットコインの売却が検討されている点が市場の注目を集めています。同社は債務の消却を進める一方で、長期的にはビットコインの蓄積を継続する方針を示しています。
転換社債の買い戻しと債務消却の計画
Strategy社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社は2029年に満期を迎える予定だったゼロクーポン転換社債(利息の支払いがない代わりに、発行価格が額面より低く設定された社債)について、保有者と私的な買い戻し交渉を行いました。
今回の取引では、額面1ドルあたり約92セントという割引価格での買い戻しが合意されています。同社は総額約13億8000万ドルを支払って債務を消却する予定で、決済は2026年5月19日前後を見込んでいます。ただし、最終的な支払額は同社のクラスA普通株の出来高加重平均価格に基づき調整されるため、変動する可能性があります。
この決済が完了すると、同社が保有していた約30億ドルの2029年満期社債のうち、約半分にあたる15億ドルが残る計算となります。
ビットコイン売却を含む資金調達の選択肢
注目すべきは、今回の買い戻し資金の候補として「ビットコインの売却」が明記されたことです。同社は手元資金や株式発行による調達に加え、必要に応じて保有するビットコインの一部を現金化する方針を示しています。
同社のエグゼクティブ・チェアマンであるマイケル・セイラー氏は、自社をビットコインの「純蓄積者」と定義しつつも、義務を履行するために一部を売却する可能性を否定していません。ただし、売却したビットコインについては、将来的に1枚につき10枚から20枚を買い戻す形で補充する意向を示しており、一時的な売却があっても長期的な買い圧力を維持する姿勢を強調しています。
保有状況と直近の動向
Strategy社は現在、81万8869BTCを保有しており、その価値は現在価格で660億ドルを超えています。これは企業による保有量としては世界最大規模です。
同社は2026年第1四半期決算の前後で一時的に購入を停止していましたが、先週には約4300万ドルを投じて535BTCを追加購入するなど、買い増しを再開したばかりでした。今回の転換社債の買い戻しは、同社が膨大なビットコイン資産を背景に、財務状況の最適化を図る動きの一環と見られます。
ポイント
- Strategy社が2029年満期の転換社債15億ドル分を、額面の約92%という割引価格で買い戻し、債務を圧縮する計画です。
- 買い戻し資金のソースとして、手元資金や株式発行に加え、保有ビットコインの売却が検討されている点が注目されます。
- マイケル・セイラー氏は、債務履行のための売却の可能性を認めつつも、長期的には売却分を大幅に上回る量を買い戻す方針を示しています。
- 同社は81万BTCを超える世界最大級のビットコイン保有を維持しており、直近でも追加購入を行うなど蓄積姿勢を継続しています。