Polymarketが日本市場参入へ向けて代表者を起用、2030年の規制認可を目指す

Polymarketが日本市場参入へ向けて代表者を起用、2030年の規制認可を目指す

世界最大級の分散型予測市場プラットフォームを運営するPolymarket(ポリマーケット)が、日本市場への参入に向けた本格的な活動を開始したことが明らかになりました。日本事業の代表者として、暗号資産プロジェクトでの実績を持つMike Eidlin氏を起用し、2030年までの規制認可取得を長期的な目標として掲げています。日本の厳格な賭博規制やWeb3分野での法整備が進む中、この動きは今後の国内における予測市場の合法化議論や、分散型プラットフォームへの規制のあり方に影響を与える可能性があります。

日本市場参入に向けた長期戦略と代表者の起用

Polymarketが日本市場参入へ向けて代表者を起用、2030年の規制認可を目指す

Polymarketは、日本を重要な未開発の市場と位置づけ、長期的な認可取得を目指す戦略を採っています。日本事業を率いるのは、Solanaベースの分散型取引所アグリゲーターであるJupiterで日本責任者を務めてきたMike Eidlin氏です。

Eidlin氏の役割は、日本の弁護士、業界団体、規制当局者や政策担当者と連携し、予測市場の合法化に向けた制度設計を進めることとされています。現在、Polymarketは日本を含む33カ国を利用制限の対象としており、日本からは取引画面のみが制限された閲覧専用モードとなっています。同社は短期のライセンス取得やユーザー獲得ではなく、2030年までの認可取得という4年以上先を見据えた長期的な働きかけを前提とした参入戦略を描いていると見られます。

予測市場の世界的拡大とPolymarketの事業動向

予測市場(Prediction Market)とは、選挙結果、経済指標、スポーツの試合結果といった将来の事事象が起きるかどうかをトークン化し、参加者が売買することで市場に確率を反映させる仕組みです。Polymarketは2020年に米国で設立され、Polygon上で動作するスマートコントラクトを通じて、ステーブルコインのUSDCを取引通貨として使用しています。

Polymarketは、2026年3月に約100億ドルの月間取引高を記録し、世界最大の予測市場に成長しました。この背景には、ニューヨーク証券取引所の親会社であるIntercontinental Exchange(ICE)からの大型出資があります。ICEは2025年10月に最大20億ドルの戦略出資を発表し、2026年3月に追加の6億ドルを投資して合意を完了しました。ICEはPolymarketの機関投資家向けデータの独占プロバイダーとなり、2026年2月にはデータツールPolymarket Signals & Sentimentの提供を開始しています。

また、Polymarketは2026年3月に最大1.80%の手数料体系を導入し収益化に踏み切ったほか、2025年7月には米商品先物取引委員会(CFTC)登録の取引所・清算機関であるQCEXを1.12億ドルで買収し、規制に準拠した形での米国市場復帰を進めています。

日本における法規制の壁と参入に向けた論点

日本への参入にあたっては、刑法第185条が定める賭博禁止規定が最大のハードルとなります。日本では、競馬や競輪などの公営競技、宝くじ、スポーツくじ、特定複合観光施設(IR)整備法に基づく施設を除き、金銭を伴う賭博は原則として禁止されています。これらはすべて個別法による特例として認められているため、予測市場を日本で合法化するためには、新たな立法措置が必要となります。

日本での参入にあたっては、金融商品取引法の枠組みに乗せるのか、それとも個別法による特例化を目指すのかが論点となります。暗号資産業界での実務経験を持つEidlin氏を起用したことから、Polymarket側は金融商品取引法寄りの議論を志向している可能性があると推測されます。

また、すでに数兆円規模の成熟市場として存在する公営競技などの既存事業者との関係や、依存症対策、未成年保護、市場操作対策といった社会的合意の形成も課題となります。暗号資産ベースの分散型プラットフォームに対して「分散型プラットフォームに対する責任主体の明確化」という論点も含め、技術的・制度的な接続問題が残されています。

ポイント

  • Polymarketが日本市場参入に向け、Jupiterの日本責任者を務めたMike Eidlin氏を代表者に起用したことが報じられました。
  • 2030年までの規制認可取得を目標に掲げ、日本の規制当局や業界団体と連携して予測市場の合法化に向けた制度設計を進める長期的な戦略をとっています。
  • Polymarketは2026年3月に月間取引高約100億ドルを記録し、世界最大の予測市場に成長しています。
  • 日本での合法化には、厳格な賭博規制をクリアするための立法措置が必要であり、金融商品取引法の適用や個別法による特例化が論点になると見られます。
  • 分散型プラットフォームにおける「責任主体の明確化」や、既存の公営競技に準じた依存症対策などの制度設計が、日本市場参入における重要な課題になると推測されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta