ブラックロック「IBIT」が10億ドル超のビットコインを売却、CEOの過去発言の再浮上と重なり市場で議論

米資産運用最大手ブラックロック(BlackRock)が提供する現物ビットコインETF(上場投資信託)である「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」において、直近の5取引日間で約10億1,000万ドル相当のビットコイン(BTC)が償還(ファンドの解約に伴い現物を払い戻す手続き)を通じて売却されたことが明らかになりました。この大規模な売却は、同社のCEOであるラリー・フィンク(Larry Fink)氏が暗号資産を肯定的に評価する過去のインタビュー映像がSNS上で再浮上し、トレーダーの間で誤解が生じた時期と重なり、市場で議論を呼んでいます。現在、BTC価格は77,382ドル付近を維持しています。

顧客の償還に伴う機械的な売却

ブラックロック「IBIT」が10億ドル超のビットコインを売却、CEOの過去発言の再浮上と重なり市場で議論

今回のIBITによる10億1,000万ドル規模のビットコイン売却は、ブラックロックがビットコインの下落を見越して自発的に行った投資判断ではなく、ETFの仕組みに基づく機械的な処理であるとされています。

ETFでは、投資家が保有するシェアを償還(解約)する際、ファンドはその裏付けとなっている現物資産であるビットコインを売却して資金を払い戻す必要があります。したがって、今回の売却額はブラックロック自身の戦略的な売却を示すものではなく、あくまで顧客(投資家)による資金引き出し(アウトフロー)の規模を反映したものと見られます。

ラリー・フィンクCEOの「過去発言」による誤解と拡散

この大規模な資金流出とほぼ同時に、ブラックロックのCEOであるラリー・フィンク氏のインタビュー映像がSNS上で再浮上し、拡散されました。

この映像は、2025年10月に米CBSの番組「60 Minutes」で放映された過去のものです。映像の中でフィンク氏は、暗号資産について「悪くない資産」であり、「ゴールド(金)と同じように役割がある」と発言し、自身の暗号資産に対する見方を見直したことを明らかにしていました。

この肯定的な発言が、直近のIBITにおける大規模な資金流出のニュースと同時期に拡散されたため、一部のトレーダーや市場関係者の間で現在のブラックロックのスタンスや資金動向について誤解が生じることとなりました。なお、フィンク氏の基本的な姿勢は、ビットコイン現物ETFを入り口としつつ、現実世界資産(RWA)のトークン化を重視する方針で一貫しているとされています。

市場への影響とビットコインの価格動向

大規模な売却が行われたものの、ビットコイン(BTC)の価格は77,382ドル付近を維持しています。このことから、IBITの償還によって市場に供給された大量のビットコインは、市場の他の買い手によって吸収された可能性が高いと見られています。

近年、ビットコイン現物ETFは機関投資家や個人投資家の資金動向を可視化する指標として重要視されています。今回の事象は、SNS上での情報拡散がもたらす市場センチメントへの影響と、実際のファンドの資金動向とのギャップを浮き彫りにした事例として注目されます。

ポイント

  • ブラックロックの現物ビットコインETF「IBIT」から、5取引日間で約10億1,000万ドル相当のビットコインが償還に伴い売却されました。
  • 今回の売却はブラックロックの戦略的判断ではなく、顧客の償還要求に応じるための機械的な処理とされています。
  • 売却のタイミングで、ラリー・フィンクCEOが暗号資産を肯定的に評価する過去(2025年10月)のインタビュー映像がSNSで拡散され、トレーダーの間で一時的に誤解が生じました。
  • 大規模な売却にもかかわらず、ビットコイン価格は77,382ドル付近を維持しており、他の買い手によって供給が吸収されたと見られます。
  • 実際の資金フローとSNSでの情報拡散による市場センチメントのギャップを示す事例として、業界内で注目されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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