東証上場のASAHI EITOホールディングス、暗号資産流動性提供事業を本格拡大へ:テスト運用で年率14.6%を記録

東証スタンダード上場のASAHI EITOホールディングスは、2026年5月25日、暗号資産流動性提供事業のテスト運用結果と今後の本格的な事業拡大方針を発表しました。同社は2026年5月1日から19日にかけて約1500万円相当の暗号資産を用いたテスト運用を行い、暗号資産ベースで年率換算14.6%の利回りを達成しました。この結果を受け、同社は保有するソラナ(SOL)を売却してイーサリアム(ETH)を追加購入し、さらに段階的に約3億円規模のETHを購入して運用に充てる方針を明らかにしています。本取り組みは、国内の上場企業が分散型金融(DeFi)を用いた財務(トレジャリー)戦略を本格化させる先進的な事例として注目されます。

テスト運用の成果とガバナンス体制の検証

東証上場のASAHI EITOホールディングス、暗号資産流動性提供事業を本格拡大へ:テスト運用で年率14.6%を記録

同社は、2026年5月1日から19日までの期間、約1500万円相当の暗号資産を活用して流動性提供事業のテスト運用を実施しました。流動性提供事業とは、分散型取引所(DEX)などの取引ペアに暗号資産を供給し、取引の成立を支えることで手数料などの収益獲得を目指す仕組みです。

テスト運用の結果、手数料等を差し引いた同社帰属分で、暗号資産ベースの年率換算14.6%という利回りを達成しました。

今回のテスト運用において同社は、利回りの最大化よりも、実務上の課題の把握やリスク管理、権限分掌、承認・報告体制の確認を重視したと説明しています。上場企業として適切な内部管理体制が機能するかを検証することに主眼が置かれていたと見られます。

イーサリアムへの一本化と約3億円規模への運用拡大計画

テスト運用の結果を踏まえ、同社は暗号資産流動性提供事業を本格的に拡大する方針を示しています。

具体的な運用戦略として、現在保有しているソラナ(SOL)を売却し、その売却代金でイーサリアム(ETH)を追加購入して同事業に活用します。

さらに、追加の運用資金として、日本円ベースで総額約3億円規模のETHを段階的に購入し、同事業での運用に充てる計画です。

同社は2025年11月に、トレジャリー事業に関する資金使途として、暗号資産の取得・運用に最大約26億円を充当する計画を示していました。今後は市場環境や資金調達の進捗を見ながら、段階的に運用規模を拡大していくとしています。本格運用にあたっては、一部通貨ペアの見直しや運用レンジの調整を行い、目標利回りである年率20%に近づけるための運用改善を進める方針です。

企業トレジャリー戦略におけるDeFi活用の意義

今回のASAHI EITOホールディングスによる取り組みは、日本国内の上場企業における暗号資産やDeFiを活用した財務戦略(トレジャリー戦略)の可能性を示すものとして、業界内で高い関心を集めています。

同社は2025年11月に国内暗号資産交換業者のBITPOINTと業務提携を開始したとされており、上場企業としての適法性の確認や内部管理体制の整備を進めてきました。

テスト運用を通じて実務やガバナンス上の課題をクリアし、さらに約3億円規模の本格運用へとステップを進める同社の動きは、他の日本企業が財務資産の多様化や資本効率の改善を目的としてWeb3領域へ参入する際の、重要な先行事例となる可能性があります。

ポイント

  • 東証スタンダード上場のASAHI EITOホールディングスが、暗号資産流動性提供事業のテスト運用で年率換算14.6%(暗号資産ベース)の利回りを達成しました。
  • テスト運用では利回りの追求よりも、実務上の課題把握やリスク管理、権限分掌、承認・報告体制の確認といったガバナンス体制の検証を重視したとされています。
  • 本格運用への移行に伴い、保有するSOLを売却してETHを追加購入し、さらに段階的に約3億円規模のETHを追加購入して流動性提供事業に充てる計画です。
  • 今後は一部通貨ペアの見直しや運用レンジの調整を行い、目標利回りである年率20%への到達を目指して運用改善を進めるとしています。
  • 上場企業がDeFiを用いたトレジャリー戦略を実証し、本格的な運用拡大へ舵を切る事例として、国内のWeb3ビジネスパーソンにとって重要な指標となることが期待されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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