ブロックチェーンインフラ企業のPaxos(パクソス)の子会社であるPaxos Securities Settlement Company(PSSC)は、米証券取引委員会(SEC)から清算機関としての登録を承認されました。これによりPSSCは、中央証券保管機関として清算・決済サービスを提供することをSECから承認された、初かつ唯一のブロックチェーンネイティブ企業となりました。今回の登録は、大手金融機関との共同パイロットプログラムによる実運用実績に基づいています。ブロックチェーン技術を用いたポストトレードインフラが、完全に規制された枠組みの中で実用化される重要な節目となります。
SECによる清算機関登録の決定とその背景
Paxosは2026年5月28日、子会社のPSSCが1934年証券取引所法第17A条に基づき、米証券取引委員会(SEC)から清算機関(証券取引の決済や管理を行う機関)としての登録を承認されたと発表しました。これによりPSSCは、ブロックチェーンネイティブ企業として初めて、かつ唯一、中央証券保管機関(証券の保管や決済を集中管理する機関)としての清算・決済サービス提供の認可を得た企業となりました。
なお、海外の報道などによると、今回のSECによる登録は18ヶ月間の暫定的なものであり、実際のサービス開始は早ければ2027年3月になるとされています。
大手金融機関とのパイロットプログラムによる実証実績
今回の登録は、PSSCが実運用環境において積み重ねてきた清算・決済の実績が基盤となっています。
SECは2019年にPSSCに対して初めてノーアクションレター(特定の取引や行為に対して法的措置をとらないことを示す書簡)を発行しました。これを受けてPSSCは2020年2月からパイロットプログラムを開始し、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Credit Suisse(クレディ・スイス)、Societe Generale(ソシエテ・ジェネラル)などのグローバルな大手金融機関の参加を得て、米国株式の清算・決済を運用してきました。
このパイロットプログラムを通じて、ブロックチェーンベースのポストトレードインフラ(取引成立後の処理を行う仕組み)が、当日決済の実現、コスト削減、そして業務効率の向上を、完全に規制された枠組みの中で両立できることが実証されました。
業界への影響と今後のインフラ提供
今回の登録により、PSSCは適格証券取引における清算・決済サービスを正式に提供できるようになります。
PaxosのCEO兼共同創業者であるCharles Cascarilla(チャールズ・カスカリラ)氏は、今回の登録がSECとの7年間にわたる継続的な取り組みの成果であると述べています。カスカリラ氏は、登録清算機関としてのPSSCが、パートナー企業が市場やブロックチェーン技術の進化に合わせて継続的に発展していくための、最も包括的なインフラを提供できるようになるとして、その意義を強調しています。
従来の金融システムとブロックチェーン技術の融合において、規制に完全に準拠したインフラが提供されることは、今後のWeb3ビジネスや金融機関の参入における重要な基盤となる可能性があります。
ポイント
- Paxos子会社のPSSCが、ブロックチェーンネイティブ企業として初めて米SECから清算機関としての登録を承認されました。
- 登録は、Bank of AmericaやSociete Generaleなどの大手金融機関が参加した、2020年2月からの米国株式決済パイロットプログラムの実績に基づいています。
- パイロットプログラムでは、ブロックチェーン技術による当日決済やコスト削減、業務効率向上が完全に規制された枠組み内で実現可能であることが実証されました。
- 本登録によりPSSCは適格証券取引の清算・決済サービスを提供可能となり、パートナー企業に対して技術進化に対応した包括的なインフラを提供する点で注目されます。