金融庁は2026年6月1日、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業に関する新制度を開始しました。この新制度は、2025年に成立した改正資金決済法に基づいて新設されたものです。登録を完了した事業者は、暗号資産交換業者などから委託を受けることで、暗号資産や電子決済手段の売買および交換の媒介業務を行うことが可能になります。
新制度の概要と対象となる業務
今回開始された電子決済手段・暗号資産サービス仲介業は、暗号資産交換業者や電子決済手段等取引業者から委託を受けることで、暗号資産や電子決済手段(法定通貨連動型のステーブルコインなど)の売買・交換の媒介のみを行うことができる制度です。
これまでは暗号資産や電子決済手段の取引に携わる際、交換業者等としての登録が必要とされていましたが、この新制度により媒介のみを行う事業者に特化した登録枠組みが整備されました。金融庁は施行にあわせ、公式サイトにおいて登録申請や届出に関する各種様式、および登録申請時に提出する概要書を公開しています。
制度新設の背景とこれまでのスケジュール
この仲介業制度は、2025年に成立した改正資金決済法に盛り込まれたものです。金融庁は制度の導入に向けて段階的に準備を進めており、2026年5月には関連する政令や内閣府令を公布していました。
また、これに先立つ2026年5月19日には海外発行ステーブルコインの取扱い基準が決定されるなど、ステーブルコインを含む新たな決済手段の実用化に向けた環境整備が進められてきました。今回の新制度開始は、これら一連の規制整備における重要な一歩となります。
業界およびビジネスへの影響
新制度の開始により、Web3関連のビジネスを展開する事業者にとっては、自ら暗号資産交換業などの比較的重いライセンスを保持することなく、委託を通じて暗号資産やステーブルコインの売買・交換サービスを自社サービスに組み込む道が開かれます。
これにより、既存のWeb2サービスやアプリ、金融サービスなどにおいて、暗号資産や電子決済手段を媒介する新たなビジネスモデルが創出される可能性があります。また、より多様な事業者が市場に参入することで、デジタルアセットの普及や実用化がさらに促進されると見られます。
ポイント
- 金融庁が2026年6月1日より、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の新制度を施行しました。
- 登録を受けた事業者は、暗号資産交換業者などの委託を受けて、暗号資産や電子決済手段の売買・交換の媒介業務を行えるようになります。
- 2025年に成立した改正資金決済法に基づく制度であり、2026年5月に関連する政令や内閣府令が公布されていました。
- 媒介業務に特化した登録制度が整備されたことで、多様な事業者が暗号資産やステーブルコインを扱うサービスに参入しやすくなると見られます。