自民党ブロックチェーン推進議員連盟は2026年6月1日、暗号資産税制の改革やオンチェーン金融の環境整備を求める提言を片山さつき財務大臣に提出しました [1]。提言には、申告分離課税の導入やデリバティブ取引のレバレッジ倍率引き上げ、暗号資産ETFの制度整備などが盛り込まれています [1]。海外でステーブルコインやオンチェーン金融の議論が活発化する中、日本国内での迅速な制度整備と国際的な主導権の確保を目指す動きとして注目されます [1]。
税制改革と市場環境の整備に関する具体的な要望
提言では、暗号資産規制を金融商品取引法の下に移行することを前提とした、申告分離課税の導入を求めています [1]。また、暗号資産同士を交換した際の課税見直し、相続税や寄付税制の整理も盛り込まれました [1]。
さらに、個人向け暗号資産デリバティブ取引のレバレッジ倍率を現行の2倍から段階的に引き上げる検討や、暗号資産ETF(上場投資信託)の制度整備、無登録業者への対策強化などが提案されています [1]。これらの取り組みを通じて、国内の暗号資産市場の健全な発展と活性化を図る狙いがあると見られます。
オンチェーン金融の推進と国家戦略への反映
今回の提言では、ブロックチェーン上で証券などの発行、保有、取引、収益分配が完結するオンチェーン金融の迅速な制度整備も重要なテーマとして掲げられています [1]。ステーブルコインやCBDC(中央銀行デジタル通貨)、貿易や物流分野でのブロックチェーン活用などが提案されました [1]。
提言を手渡した神田潤一衆議院議員は、2027年5月に東京で開催予定のアジア開発銀行(ADB)の年次総会を見据え、アジア地域で円建てステーブルコインをはじめとするオンチェーン金融を普及させる取り組みを進めるべきだと述べています [1]。これに対し片山大臣は、米国での議論の活発化に触れ、日本も海外の動きに負けずに進める必要があるとの姿勢を示しました [1]。
自民党内では、ブロックチェーン議連に加え、木原誠二衆議院議員が座長を務める次世代AI・オンチェーン金融構想PT(プロジェクトチーム)でも議論が進められています [1]。同PTは、AIエージェントの普及に伴い決済や契約が自動化・24時間化する未来を見据え、ブロックチェーンを活用したオンチェーン金融を官民連携で推進する必要性を示しているとされています。
同PTが2026年5月19日に公表した、ステーブルコインやトークン化預金を次世代金融インフラとして整備する提言は、今月策定が見込まれる高市政権の骨太の方針2026に反映される方向で調整が進められています [1]。オンチェーン金融の進展に伴い、日本の通貨主権を確保する重要性も指摘されており [1]、政府や党内が歩調を合わせて国家戦略としての整備を進める可能性があります。
ポイント
- 自民党ブロックチェーン議連が片山財務大臣に提言を提出し、申告分離課税の導入やレバレッジ倍率の段階的引き上げなどを求めました [1]。
- 証券の取引などがブロックチェーン上で完結するオンチェーン金融の国内制度整備を、国際的な実務の進展に対応して迅速に進めるべきだとしています [1]。
- 2027年5月に東京で開催予定のアジア開発銀行の年次総会を見据え、アジア地域で円建てステーブルコインなどのオンチェーン金融を広げる取り組みの必要性が示されました [1]。
- 次世代AI・オンチェーン金融構想PTによる提言は、2026年6月に策定見込みの骨太の方針2026に反映される方向で調整が進められており [1]、国家戦略としての位置づけが注目されます。
- 議連とPTの主要メンバーが重複しており、自民党内で歩調を合わせた政策推進が行われると見られます [1]。