Binanceが米国株・ETF取引サービスを開始、トークン化株式機能「bStocks」も提供へ

大手暗号資産取引所のBinanceは2026年6月1日、米国外の対象ユーザーに向けて、7000銘柄以上の米国株およびETF(上場投資信託)の取引サービスを開始したことを発表しました。さらに、購入した株式をBNBチェーン上で合成トークンに変換できる新機能「bStocks」を数週間以内に提供する計画も明らかにしました。この取り組みは、伝統的な金融資産と暗号資産を統合したマルチアセット型のプラットフォーム構築を目指すものであり、Web3業界における取引所の役割を大きく変える可能性があります。

米国外ユーザーを対象にした手数料無料の米国株取引

Binanceが米国株・ETF取引サービスを開始、トークン化株式機能「bStocks」も提供へ

Binanceが新たに開始したサービスでは、米国外の対象ユーザーが手数料無料で米国株やETFを取引することができます。5ドルという少額からの端株(フラクショナル)購入に対応しており、一部の銘柄については週5日・24時間(24/5)の取引が可能です。

取引の決済には、米ドル連動型ステーブルコインのUSDCやUSDT、およびBinanceの独自トークンであるBNBなどが利用できます。共同CEOのリチャード・テン氏は、今回のサービス開始を通じて「マルチアセット型の金融スーパーアプリ」の構築を目指す姿勢を示しています。

外部パートナーとの連携によるサービス提供体制

この米国株・ETF取引サービスは、Binanceが直接ブローカー業務を行うのではなく、外部の専門企業との提携によって運用されます。具体的には、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)に拠点を置くブローカー・ディーラーのNest Trading Limited(ネスト・トレーディング)を通じて提供され、実際の株式の保管や配当金の処理といった実務は、米国のAlpaca Securities(アルパカ・セキュリティーズ)が担う体制となっています。

株式のオンチェーン化を目指す「bStocks」と業界の競合状況

Binanceは、米国株取引の開始に加え、購入した株式をBNBチェーン上で合成トークンとして発行できる新機能「bStocks」の提供を数週間以内に予定しています。

この株式、ETF、デリバティブ、トークン化資産を単一の口座で管理できるようにするBinanceの動きは、他の大手暗号資産取引所との競合関係をより直接的なものにしています。競合であるCoinbase(コインベース)は、すでに2025年12月から手数料無料の米国株・ETF取引を24時間・週5日体制で開始しており、取引所間のマルチアセット化を巡る競争が激化しています。

一方で、実社会における普及には規制面での課題が残されています。アメリカ証券取引委員会(SEC)は先週、トークン化資産に関連する「イノベーション免除」措置の判断を先送りにしており、こうした規制の不透明さが今後のトークン化株式の普及において足かせとなる可能性が指摘されています。

ポイント

  • Binanceが2026年6月1日、米国外の対象ユーザー向けに7000銘柄以上の米国株とETFの取引提供を開始しました。
  • 決済にはUSDC、USDT、BNBなどの暗号資産が利用可能で、5ドルからの少額取引や一部銘柄の24時間・週5日取引に対応しています。
  • 購入した株式をBNBチェーン上で合成トークンとして発行できる新機能「bStocks」を数週間以内に提供開始する計画です。
  • Coinbaseが2025年12月に同様の米国株取引を開始していることから、主要取引所間のマルチアセット化競争がより直接的になっています。
  • 米国SECによるトークン化資産に関する判断の先送りなど、規制の不透明さが今後の普及における課題となる可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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