Galaxy Digital、機関投資家向けの店頭予測市場取引サービスを開始──Arcaと初の1000万ドル取引を実施

米国のデジタル資産金融サービス会社であるGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)は、機関投資家向けに店頭(OTC)予測市場取引サービスの提供を開始したと発表しました。このサービスは、ヘッジファンドやファミリーオフィスなどの大口投資家が、個人向け取引プラットフォームでは困難だった規模と裁量性をもって、イベント結果に連動する契約にアクセスできるようにするものです [1]。サービス開始にあたり、同社は暗号資産系ヘッジファンドのArca(アルカ)と、米国のデジタル資産市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」の成立に関連する結果を対象とした1000万ドル(約15億5000万円)規模の取引を実行しました [1]。この取り組みは、これまで流動性の観点から参入が難しかった機関投資家に対し、予測市場をポートフォリオのヘッジ手段として活用する新たな選択肢を提供するものと見られます [1]。

大口投資家のニーズに応えるOTCサービスの特徴と対象市場

Galaxy Digital、機関投資家向けの店頭予測市場取引サービスを開始──Arcaと初の1000万ドル取引を実施

このサービスは、Galaxy DigitalのGlobal Marketsトレーディングデスクを通じて提供されます [1]。主な取引対象は、米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にあるとされるKalshi(カルシ)や、暗号資産などを利用した分散型予測市場プラットフォームとされているPolymarket(ポリマーケット)で取引される、スポーツ以外のイベント契約です。これには、経済、政治、地政学的イベントなどの市場が含まれ、今後はさらに対象プラットフォームを拡大する計画です [1]。

Galaxy DigitalのOTCデスクは自己勘定の相手方として機能し、顧客が二者間取引ベースで機関投資家規模の流動性を利用してポジションを構築できるようにします [1]。また、予測市場のポジションに株式やコモディティなどのヘッジを組み合わせることも可能です [1]。これにより、顧客は単一のイベントを軸に、複数資産を横断する統合的なリスク戦略を構築できるようになります [1]。なお、本サービスは機関投資家との取引に限定され、法規制上の要件を踏まえて管轄区域ごとに提供内容を評価するとしています [1]。

Arcaとの初取引とクラリティ法案へのヘッジ需要

サービスの開始に合わせて、Galaxy Digitalは暗号資産系ヘッジファンドのArcaと、Kalshi上で1000万ドル(約15億5000万円、1ドル=155円換算)規模の取引を実行しました [1]。この取引は、米国のデジタル資産市場構造法案であるCLARITY Act(クラリティ法案、デジタル資産規制の明確化を目指す法案とされています)の成立に関連する結果を対象としています。

Arcaの最高投資責任者であるJeff Dorman(ジェフ・ドーマン)氏は、同社が米議会でのクラリティ法案交渉に関連するテーマに投資していると説明しています [1]。同氏によると、予測市場はこうした既存の投資ポジションをヘッジする手段として適している一方で、従来の個人向け市場の流動性は同社規模のファンドには不十分であったと指摘しています [1]。今回のGalaxy DigitalによるOTCサービスの提供は、このような大口投資家が抱える流動性の課題を解決する手段となる可能性があります [1]。

イベント駆動型市場の拡大と機関投資家向けインフラの重要性

Galaxy Digitalのデジタル資産部門グローバル共同責任者であるJason Urban(ジェイソン・アーバン)氏は、イベント駆動型市場は洗練された投資家がマクロ見通しを表現するうえで中核的な手段になりつつあり、それに見合う機関投資家向けインフラが必要であると述べています [1]。

これまで予測市場は個人投資家を中心に取引されてきましたが、大口取引を円滑に行うための環境が十分に整っていませんでした [1]。Galaxy Digitalがリスクを引き受け、資産クラスをまたぐヘッジ戦略を構築できる相手方となることで、機関投資家がポートフォリオ全体において意味のある規模で予測市場を活用できるようになると見られます [1]。

ポイント

  • Galaxy Digitalが、ヘッジファンドやファミリーオフィスなどの大口投資家を対象としたOTC(店頭)予測市場取引サービスを開始しました [1]。
  • 暗号資産系ヘッジファンドのArcaと、Kalshi上で「CLARITY Act(クラリティ法案)」の成立に関連する1000万ドル規模の初取引を実行しました [1]。
  • KalshiやPolymarketで扱われるスポーツ以外の経済、政治、地政学的イベントを対象とし、株式やコモディティなどのヘッジと組み合わせた統合的なリスク戦略の構築を可能にします [1]。
  • 個人向け市場では流動性が不足していた大口投資家に対し、Galaxy Digitalが自己勘定の相手方としてリスクを引き受けることで、機関投資家規模の取引執行を実現します [1]。
  • 規制要件を踏まえ、取引は機関投資家に限定して提供され、管轄区域ごとに提供内容が評価される方針です [1]。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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