老舗通販企業の日本直販が手がける「AYET(Akimoto Yasushi Entertainment Token)」プロジェクトにおいて、ホワイトペーパーの策定が完了し、2027年から2028年を目標とした上場計画が進行していることが判明しました [1]。本プロジェクトは、総合プロデューサーの秋元康氏を迎え、約1200万人の顧客基盤を持つ同社のリブランディングと、実需型トークンによる独自経済圏の構築を目指しています [1]。金融庁による暗号資産の金融商品取引法への移管を定めた法改正の動きが重なる中、新体制下における国内上場の先駆けとなるか注目されています [1]。
実需型トークン「AYET」と顧客基盤を活かしたリブランディング
日本直販は、総合プロデューサーの秋元康氏が手がける「AYETプロジェクト」の一環として、「ショートドラマ企画コンテスト」の実施を発表しました [1]。このコンテストは、アジア最大級の国際短編映画祭とされている「SSFF & ASIA 2026(ショートショート フィルムフェスティバル & アジア)」と連携し、製作資金1000万円を拠出して行われます。
一見エンターテインメントの話題ですが、その本質は創業49年の同社が抱える約1200万人の顧客基盤を対象としたリブランディング戦略にあります [1]。独自トークン「AYET」は、日本直販の子会社を通じて発行される予定です [1]。単なるファン向けアイテムや投機目的ではなく、ECサイトでの決済やイベント優待に利用できるユーティリティトークンとして、独自の決済経済圏を構築することを目標としています [1]。
2027〜2028年の上場目標と金商法改正のタイムライン
プロジェクトの骨格となるホワイトペーパーの策定はすでに完了しており、現在は今後の開示方法について関係各所と確認を進めている段階です [1]。
資金調達および上場に向けては、適格機関投資家向け販売(プロ向けトークン販売)、暗号資産取引所を介して新規トークンを販売する「国内IEO」、既存トークンの国内取引所上場、グローバル上場といった複数段階のスキームが検討されています [1]。国内外での上場時期は「2027〜2028年を目処」に検討されています [1]。
この上場目標時期は、日本のWeb3規制のタイムラインと密接に関連しています [1]。2026年4月、金融庁は暗号資産取引を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する法案を国会へ提出しました [1]。新体制への移行は「2027年中〜後半」となる公算が大きいと見られています [1]。
新体制下では、ホワイトペーパーが法的な情報開示文書として位置づけられ、虚偽記載に対して最大10年以下の拘禁刑などの厳しい罰則が科されるほか、財務監査がない場合は投資上限(最大50万円等)が設定されるなど、資金調達のハードルが上がります [1]。日本直販の計画が予定通り進行すれば、新体制下における「国内上場の第1弾」となる可能性があります [1]。ただし同社は、国内IEOはあくまで選択肢の一つであり決定事項ではないと強調しています [1]。
Polygonの採用とユーザーフレンドリーな決済環境の構築
技術面において、独自トークン「AYET」はPolygonネットワーク上のERC-20トークンとして設計されています [1]。Polygonはイーサリアムのレイヤー2(スケーリングソリューション)とされており、安価な手数料やスケーラビリティ、既存の分散型アプリ(DApps)との親和性の高さが採用の理由です。また、ERC-20はイーサリアムの互換トークン規格とされています。
また、一般ユーザーが暗号資産特有のガス代(ネットワーク手数料)を意識せずに決済を利用できるよう、企業側が手数料を負担する「ガスレス化」の仕組みも視野に入れています [1]。これにより、Web3の専門知識を持たない顧客層でも利用しやすい環境が整えられると見られます [1]。
ポイント
- 創業49年の日本直販が、秋元康氏を総合プロデューサーに迎えた「AYET」プロジェクトでホワイトペーパーの策定を完了しました [1]。
- 約1200万人の顧客基盤を対象に、EC決済やイベント優待で使える実需型ユーティリティトークンの経済圏構築を目指しています [1]。
- 2027〜2028年の国内外上場を目標としており、金融庁が国会提出した金商法移管法案の施行時期(2027年中〜後半の見通し)と重なることから、新法下の「国内上場第1号案件」となる可能性があります [1]。
- 技術仕様としてPolygonネットワーク上のERC-20規格を採用し、ユーザーが手数料を意識せず利用できる「ガスレス決済」の実装も視野に入れています。
- トークン経済圏の布石となる「ショートドラマ企画コンテスト」の詳細は、2026年6月10日に開催される「SSFF & ASIA 2026 アワードセレモニー」で発表される予定です [1]。