米国初の現物BNB ETFがローンチ、デリバティブ市場の未決済建玉は4億ドル急増

米資産運用大手のVanEckが米国初となる現物BNB ETF(上場投資信託)をローンチし、暗号資産市場で機関投資家の関心が高まっています。この発表を受けて、BNBのデリバティブ市場における未決済建玉は24時間以内に約4億ドル急増し、一時13億5000万ドルを上回りました。規制下の投資商品の登場は、これまでバイナンスを巡る規制リスクに対して慎重だった機関投資家のセンチメントを改善する重要な契機と見られています。

機関投資家の参入障壁を緩和する現物BNB ETFの登場

米国初の現物BNB ETFがローンチ、デリバティブ市場の未決済建玉は4億ドル急増

米資産運用会社VanEckがローンチした現物BNB ETFは、米国のナスダック市場に上場されました。この商品は、投資家が直接暗号資産を保有・管理することなく、従来の証券口座を通じてBNBへの投資機会を提供するものです。

これまで、バイナンス(Binance)の法的和解や元CEOであるChangpeng Zhao氏への量刑言い渡しなどの影響から、機関投資家はBNBに対する投資に慎重な姿勢を維持してきました。しかし、今回の規制されたETF商品の登場は、バイナンスに関連する規制上の懸念が徐々に和らぎつつあるサインとして市場に受け止められています。実際、発表直後には市場の感情を示す「Fear and Greed Index」(恐怖強欲指数)が、それまでの中立圏である44から「Greed(強欲)」を示す74まで上昇するなど、投資家のセンチメント改善が顕著に見られました。

デリバティブ市場の活性化と他アルトコインETFの先例

ETFのローンチに伴い、BNBのデリバティブ市場では取引活動が急増しました。発表から24時間以内に約4億ドル相当の新たなレバレッジポジションが構築され、未決済建玉(デリバティブ取引において決済されずに残っている未決済の契約総額)は5月31日に13億5000万ドルを突破しました。この急激な資金流入は、短期的なイベント取引にとどまらず、中長期的な方向感を見据えたポジション構築が進んでいる可能性を示唆しています。

また、先行する他のアルトコインETFの事例も、BNB ETFへの継続的な需要を予期させるものとなっています。例えば、現物ソラナ(SOL)ETFは上場後21取引セッション連続で資金流入を記録し、約6億2100万ドルを集めました。また、Bitwiseと21Sharesが手がけるHyperliquid ETFも、ローンチ後の11取引日で1億ドル以上の資金を集めています。BNB ETFにおいても、初期段階に留まらない継続的な資金流入が期待されています。

マクロ経済の逆風による価格調整と今後の技術的サポート

BNB価格はETFの発表を受けて一時730ドル付近まで上昇したものの、その後は3取引セッション連続で約11%下落し、現在は638ドル付近で取引されています。この反落は、予想を上回る米国の労働市場データや、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ先送り懸念といったマクロ経済要因に伴う、暗号資産市場全体の調整が主な要因と見られています。

テクニカル分析の観点からは、この下落は秩序だった範囲にとどまっていると評価されています。日足チャートにおけるボリンジャーバンド(価格の変動範囲を統計的に示す指標)の中央線である659ドルは下回ったものの、下限付近の重要サポート水準である615ドルから630ドルの範囲を維持しています。取引量の減少を伴う調整であることから、本格的な投げ売りは発生していない模様です。今後、615ドルのサポートを守りきることができれば、再び680ドルや700ドル以上のレジスタンス(上値抵抗)水準を目指す展開が期待される一方、下抜けた場合は600ドルや580ドル付近への調整リスクが指摘されています。

さらに、バイナンスがアラブ首長国連邦(UAE)のユーザー向けに現地通貨ディルハム(AED)の直接入出金サービスを開始したことも発表されました。このように世界各地で規制に準拠した法定通貨へのアクセスが拡大することは、BNBの実用性を高め、ファンダメンタルズを補強する動きとなっています。

ポイント

  • VanEckが米国初の現物BNB ETFをナスダックに上場させ、機関投資家に規制下の投資手段を提供したことで、バイナンスの規制リスク懸念が緩和されつつあります。
  • ローンチから24時間以内にBNBの未決済建玉が4億ドル急増し、一時13億5000万ドルに達するなど、デリバティブ市場で中長期的なポジション構築が進んだと見られます。
  • マクロ経済の逆風によりBNB価格は一時調整局面に入っていますが、テクニカル面では615ドルのサポートラインを維持できるかが今後の方向性を左右する焦点となっています。
  • バイナンスによるUAEでのAED直接入出金の開始など、実用性と法定通貨アクセスの拡大に向けた取り組みが、BNBのエコシステムを支えるナラティブを補強しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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