予測市場を運営するKalshi(カルシ)が、米国においてビットコインの無期限先物「BTCPERP」の提供を開始しました。米国商品先物取引委員会(CFTC)から正式な認可を受けた初の暗号資産無期限先物取引であり、日本経済新聞などが報じています。これまで規制の壁により海外取引所が主流であった無期限先物市場に、米国内の規制に準拠した選択肢が登場したことで、業界の注目を集めています。予測市場から暗号資産デリバティブへの領域拡大は、既存の取引所との競争を促す可能性があります。
米国規制下における初のビットコイン無期限先物「BTCPERP」が始動
米商品先物取引委員会(CFTC)は2026年5月29日、指定契約市場(DCM)であるKalshiEX, LLC(カルシEX)に対し、ビットコインの無期限先物「BTCPERP」を先物契約として上場することを認めました。カルシEXは同年5月28日に審査を申請しており、迅速な承認プロセスを経て提供が開始されました。
これまでの無期限先物取引は主に米国外の海外取引所を中心に展開されており、米国の取引参加者が規制された国内の取引所で取引することは困難でした。今回のCFTCによる認可と提供開始は、米国内の規制に準拠した形で無期限先物取引を行うための重要な一歩とされています。
無期限先物「BTCPERP」の仕組み
無期限先物は、一般的な先物取引とは異なり満期日(限月)が設定されていないデリバティブ(金融派生)商品です。そのため、期限が到来するたびにポジションを次の期日に乗り換える「ロールオーバー」の手続きを行う必要がありません。
BTCPERPでは、取引価格が現物価格から大きく乖離することを防ぐため、契約価格と現物価格の差に応じてロング(買い手)とショート(売り手)の保有者間で定期的に資金を授受する仕組みが採用されています。この仕組みにより、取引価格が常にビットコインの現物価格に近い水準に維持されます。また、本契約は米ドルによる金銭決済(キャッシュセトルメント)方式で運用されるとされています。
予測市場からデリバティブ分野への拡大と市場への影響
これまで予測市場の運営を主軸としてきたKalshiが暗号資産デリバティブ分野に進出したことは、Web3業界におけるビジネスパーソンにとっても注視すべき動きです。規制に準拠した取引環境が提供されることで、既存の暗号資産取引所と競合する可能性が指摘されています。
さらに、Kalshiはビットコインの提供開始に続き、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などを含む12種類のアルトコインを対象とした無期限先物の上場申請もCFTCに行っているとされています。この動きは、今後米国内における暗号資産デリバティブの競争をさらに活性化させ、市場の拡大につながる可能性があります。
ポイント
- 米国商品先物取引委員会(CFTC)の認可を得た初のビットコイン無期限先物「BTCPERP」が提供開始された点。
- 満期日がなくロールオーバーの手続きが不要な無期限先物が、米国内の規制に準拠した形で取引可能になった点。
- 契約価格と現物価格の乖離を防ぐために、ロングとショートの間で定期的に資金を授受する仕組みが導入されている点。
- 予測市場を主力としてきたKalshiがデリバティブ分野に進出したことで、既存の暗号資産取引所との競争が生じる可能性がある点。
- ビットコインのみならず、今後はアルトコインを対象とした無期限先物取引への展開も視野に入れているとされる点。