香港金融管理局、トークン化債券の専門家グループを設立 大手金融機関やテック企業が参画

香港金融管理局(HKMA)は2026年6月5日、香港におけるトークン化債券の普及と市場拡大を目指す「トークン化債券専門家グループ」の設立を発表しました。このグループには、JPモルガン・セキュリティーズやHSBCなどの世界的金融機関や、テクノロジー企業が多数参画しています。香港政府が進めるデジタル資産市場の育成において、官民が連携して具体的な政策や技術革新を検討する重要な一歩になると見られます。

専門家グループの設立目的と参画機関

香港金融管理局、トークン化債券の専門家グループを設立 大手金融機関やテック企業が参画

今回設立された「トークン化債券専門家グループ」は、香港におけるトークン化債券(ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を用いてデジタル化された債券)のさらなる採用と市場の拡大を促進することを目的としています。グループの構成メンバーには、業界団体、金融機関、法律アドバイザリー会社、金融インフラ企業、テクノロジープロバイダーなどが名を連ねています。

具体的な参画機関として、J.P. Morgan Securities(JPモルガン・セキュリティーズ)、HSBC(香港上海銀行)、Standard Chartered Bank(スタンダードチャータード銀行)、UBS、Ant Digital Technologies(アント・デジタル・テクノロジーズ)、HashKey Group(ハッシュキー・グループ)などが発表されています。このグループは、HKMAがこれまで進めてきたトークン化債券関連の取り組みを土台としながら、政策措置、市場慣行、そして技術革新について共同で検討を進める役割を担います。

香港金融管理局によるこれまでの先駆的な取り組み

香港金融管理局は、数年にわたりトークン化債券の分野で先進的な実証と発行を積み重ねてきました。

同局は2021年に、国際決済銀行(BIS)イノベーションハブ香港センターとの共同実証研究を通じて債券トークン化に関する取り組みを開始しました。その後、香港政府向けに複数のトークン化債券を発行しています。

2023年には、世界初となるトークン化された政府グリーンボンド(環境配慮型のプロジェクトを支援するための債券)を発行しました。続く2024年には、複数通貨建てのデジタル債券の発行に成功しています。

さらに2025年には、発行時点で過去最大規模となるデジタル債券を発行しました。この債券は、e-CNY(デジタル人民元)とe-HKD(デジタル香港ドル)という、トークン化された中央銀行マネー(中央銀行が発行するデジタル通貨)を統合した初のデジタル債券としても注目を集めました。

ポイント

  • 香港金融管理局がトークン化債券の普及と市場拡大を目指す専門家グループを設立しました。
  • グループにはJPモルガン、HSBC、スタンダードチャータード、UBSといった主要なグローバル金融機関や、ハッシュキー・グループなどのWeb3関連企業が参画しています。
  • 専門家グループは、政策措置、市場慣行、技術革新を検討し、香港におけるトークン化市場の育成を加速させる役割を担います。
  • 香港金融管理局はこれまでにも、世界初の政府グリーンボンドのトークン化や、中央銀行マネーを統合した大規模デジタル債券の発行など、業界をリードする実績を重ねています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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