日本のSBI新生銀行が、預金利息に加えてその利払い額の20%相当を暗号資産に交換できるサービスの提供を今秋から開始します。これに先立ち、2026年6月10日から3カ月間の先行キャンペーン(パイロット事業)が実施されます。この取り組みは、従来の銀行預金を通じて暗号資産へのアクセスを提供する画期的な試みであり、規制の遅れから同様のサービスが実現できていない米国市場に対しても、日本の暗号資産バンキングにおける先進性を示す事例として業界内で注目を集めています。
銀行預金を入り口に暗号資産へのアクセスを提供
SBI新生銀行が今秋に常設化を目指す新サービスは、預金者が受け取る円建て金利は通常通り受け取れる一方で、その利払い額の20%相当をビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP(リップル)と交換可能な「交換券」として付与する仕組みです。
この交換券は、SBIグループの暗号資産取引所である「SBI VCトレード」の口座を通じて、一定期間内に暗号資産へ交換することができます。これにより、預金者は暗号資産を直接購入することなく、既存の預金口座を通じて手軽に暗号資産への投資機会(エクスポージャー)を得られるようになります。
先行キャンペーンの概要と狙い
常設化に先立ち、2026年6月10日から3カ月間の先行キャンペーンが実施されます。
対象となるのは3カ月から5年の定期預金および普通預金です。報道によると、30万円を預け入れた場合は約500円相当、3,000万円以上の預け入れでは約2万円相当の交換券が付与される見込みです。
この取り組みの主な目的は、約433万口座を抱えるSBI新生銀行の顧客(特に初心者層)を、銀行預金を入り口としてSBI VCトレードなどのグループの暗号資産事業へと誘導することにあります。3カ月間の先行キャンペーンでの利用状況や顧客の反応を踏まえて、今秋の常設サービスの詳細が決定される予定です。
米国との対比に見る業界への影響
本取り組みは、日本の暗号資産バンキング分野における大きな進展を示すものと見られています。
海外メディアなどでは、米国の規制環境が遅れているために、米国ではまだこのような銀行サービスと暗号資産の融合が実現できていないと指摘されています。日本においては、金融庁が暗号資産関連の金融商品に関する規制緩和や税制改正を検討している背景もあり、伝統的な金融機関が暗号資産を自社のエコシステムに統合しやすい環境が整いつつあるとされています。今回のSBI新生銀行の試みは、暗号資産の大衆普及(マスアダプション)を促進する上で、Web3業界にとっても重要なマイルストーンとなる可能性があります。
ポイント
- SBI新生銀行が、預金利息の20%相当をBTC、ETH、XRPと交換できるサービスを今秋に常設化予定。
- 2026年6月10日から3カ月間の先行キャンペーンを開始し、利用者の反応や効果を検証する。
- 暗号資産の受け取りにはグループ傘下の「SBI VCトレード」の口座開設が必要で、銀行預金を入り口とした初心者層の獲得を狙う。
- 直接購入することなく暗号資産へのアクセスを得られる仕組みであり、米国の規制遅れと対比して日本の先進性を示す事例として注目される。