シンガポール金融管理局が、分散型金融プロトコルであるHyperliquidを投資家アラートリストに追加しました。これに対しHyperliquid側は、自身がライセンス取得を主張したことのないパーミッションレスなインフラであると説明しています。しかし、この説明に対して投資家のカイル・サマニ氏が、同プラットフォームの実態はパーミッションレスではないと強く批判し、業界内で議論を呼んでいます。
金融当局によるリスト掲載とHyperliquidの釈明
シンガポール金融管理局(MAS)は、同国の投資家アラートリスト(IAL)にHyperliquidを追加しました。このリストは、金融当局からのライセンスや認可を受けていると誤認されるおそれのある事業者を投資家に知らせるためのものです。
これを受けてHyperliquidは、今回のリスト追加は規制違反や取引禁止、あるいは強制執行を意味するものではないとする声明を公表しました。同プラットフォームは、自身がパーミッションレスなインフラストラクチャであり、MASのライセンスや認可を保有していると主張した事実は一度もないと釈明しています。また、ユーザーは引き続き資産の自己管理(セルフカストディ)を維持しており、ネットワークの仕様変更もなく、すべての取引はオンチェーンで透明に決済されていると説明しました。
カイル・サマニ氏によるパーミッションレス主張への批判
一方で、このHyperliquid側の釈明に対し、Multicoin Capitalのマネージングパートナーなどを務めるカイル・サマニ氏が厳しい批判を展開しています。サマニ氏は、Hyperliquidは実際にはパーミッションレスではないと主張し、同プロジェクトが事実と異なる説明で大衆を欺いていると非難しました。
サマニ氏の指摘によると、真にパーミッションレスなブロックチェーンであるためには、少なくともコードがオープンソースであること、およびメインネットのバリデータ(取引検証者)が単一の建物内ではなく世界中に分散して運営されていることが必要であるとされています。同氏は、Hyperliquidがこれらの条件を満たしていないことに加え、Hyperliquid財団がバリデータにペナルティを科したり、ソフトウェアのアップグレードを強制したりできる権限を持っていると主張し、その中央集権的な構造を疑問視しています。
ポイント
- シンガポール金融管理局(MAS)が、Hyperliquidを無認可の可能性を伝える投資家アラートリストに追加しました。
- Hyperliquidは、リスト掲載は違反行為の認定や禁止措置ではなく、自身は認可を主張していないパーミッションレスなインフラであると説明しました。
- カイル・サマニ氏は、コードがオープンソースではない点やバリデータが地理的に分散していない点を挙げ、Hyperliquidのパーミッションレスという主張を批判しました。
- 金融規制への対応と、プロトコルの実質的な分散化(パーミッションレス)の定義をめぐる議論は、Web3ビジネスにおける透明性と信頼性のあり方を示す事例として注目されます。