2026年6月、米国に上場するビットコイン現物ETF(特定の資産の価格に連動することを目指す、証券取引所に上場している投資信託)から、月間として過去最大となる45億ドルの資金が純流出(流入した資金よりも流出した資金の方が多い状態)したことが明らかになりました。この大規模な資金流出は、同月におけるビットコイン価格の急激な下落と時期を同じくしています。一方で、一部のアルトコインETFには資金が流入しており、暗号資産市場内での資本移動の動きも見られます。
過去最悪の流出額を記録、ブラックロックのファンドが約8割を占める
2026年6月のビットコイン現物ETFからの純流出額は45億ドルに達し、2024年1月にこれら商品がローンチされて以来、最悪の月間記録となりました。これまでの過去ワースト記録は、市場のストレスが高まった2025年2月の35.6億ドルでしたが、今回それを大きく上回る結果となっています。
なお、一部のデータ提供元や他メディアの報道では、6月の純流出額を約40.6億ドルとするデータも存在しており、算出方法によって数値に多少の乖離が見られますが、いずれにしても過去最大の流出規模であるとされています。
この流出の大部分を占めたのが、ブラックロックが提供する「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」です。IBIT単体での流出額は35.5億ドルに達し、全体の約79%を占めました。この単一ファンドからの流出額だけで、従来のETFカテゴリー全体の月間ワースト記録にほぼ匹敵する規模となっています。
ビットコイン価格は20.48%下落、2022年6月以来の急落
今回の現物ETFからの大規模な資金償還(投資信託の保有者が解約し、資金を回収すること)は、ビットコイン価格の急激な下落と重なっています。2026年6月のビットコイン価格は20.48%下落しました。これは、市場が大きく崩壊した2022年6月に37.28%下落して以来、最大の月間下落幅となります。
ビットコイン価格は2026年の最初の6ヶ月間のうち、4ヶ月で価格が下落しており、今回の6月の下落はその中でも最も深い落ち込みとなりました。
アルトコインETFへの資金移動、市場内ローテーションの可能性
今回の市場の冷え込みはビットコインにとどまらず、他の主要暗号資産ETFにも影響を与えています。
イーサリアム(ETH)ETFは6月に5億2,899万ドルの純流出を記録しました。また、ソラナ(SOL)ETFは約78万6,580ドルの純流出を記録しています。金額自体は小規模ですが、ローンチ以来初の月間流出となり、これまで続いていたプラス成長の連続記録が途絶える形となりました。
一方で、すべての暗号資産ETFがマイナスとなったわけではありません。
XRP(XRP)ETFは6月に5,946万ドルの純流入を記録し、市場全体の逆風の中でもプラスを維持しました。さらに、Hyperliquid(HYPE)ETFは1億6,105万ドルの流入を記録し、6月に最も好調なパフォーマンスを示しました。
このような一部アルトコインETFへの資金流入は、投資家が暗号資産市場から完全に資金を引き揚げたわけではなく、市場内部で資金を移動させるローテーションを行っている可能性を示唆していると見られます。新たに登場したアルトコイン関連の金融商品が、一部の流出資金を吸収していると考えられます。
ポイント
- 過去最悪の流出規模:2026年6月の米ビットコイン現物ETFからの純流出額は45億ドルを記録し、2024年1月の商品ローンチ以来、過去最大の月間流出額となりました。
- ブラックロックのファンドに集中:流出額全体の約79%にあたる35.5億ドルがブラックロックのIBITから流出しており、機関投資家の動きが大手ファンドに集中した点が注目されます。
- ビットコイン価格の急落:流出と重なる形でビットコイン価格は月間で20.48%下落し、2022年6月以来の最も大きな月間下落幅を記録しました。
- 暗号資産市場内での資金ローテーションの兆候:ビットコインやイーサリアム、ソラナのETFから資金が流出する一方、XRPやHyperliquidのETFには資金が流入しており、市場内での資本移動の可能性が示されています。