dYdX Labsは、Robinhood Cryptoと共同で開発した新しい分散型取引所(DEX)「Arcus」を、新たに稼働した「Robinhood Chain」上でローンチしました。Arcusは、トークン化された株式取引と無期限先物(パーペチュアル)取引を組み合わせたプラットフォームであり、従来の金融資産とWeb3の融合を促進する取り組みとして位置づけられています。なお、既存のdYdX Chainは今回の新プラットフォームローンチによる影響を受けず、独立して存続するとされています。
トークン化株式とパーペチュアル取引を融合するArcusの概要
dYdX Labsがプロトコルをリブランドし、Robinhood Cryptoとの提携によって誕生したArcusは、トークン化株式とパーペチュアル取引を提供する次世代のDEXです。
Arcusでは、95種類のトークン化された株式を手数料無料で取引できるほか、トークン化株式をパーペチュアル取引の担保として使用することや、プレIPO(新規公開株の直前段階)市場へのアクセスが可能になるとされています。地理的要因や市場取引時間、金融機関による制限などで従来アクセスが困難だった米国株式やコモディティ、インデックス市場への参入障壁を下げることを目指しています。
現在、スポット(現物)取引はすでに稼働しており、パーペチュアル取引については今月(2026年7月)の開始に向けてウェイティングリストの受付が行われています。
技術的背景とRobinhood Chainへの展開
Arcusが構築されたRobinhood Chainは、Ethereumのレイヤー2ソリューション(ブロックチェーンの処理能力を向上させるための技術)であるArbitrum技術をベースにしたブロックチェーンであり、Arcusのローンチと同日にメインネットが稼働しました。
dYdX Labsはこれまで独自のdYdX Chainを運用してきましたが、分散型チェーンの運用に伴うパフォーマンスやユーザー体験の課題に直面していました。これに対し、Arcusでは取引の速度、流動性、ユーザー体験を最優先に設計されています。
また、Robinhood CryptoはArcusに対して投資を行っていますが、その投資額は公表されていません。
既存のdYdXエコシステムへの影響と新体制
今回のArcusのローンチに伴い、dYdXの創設者であるAntonio Juliano氏は、ArcusのCEO兼創設者にEddie Zhang氏が就任することを発表しました。Juliano氏自身は取締役会に加わり、長期的な戦略とビジョンを担当します。
既存のコミュニティに対しては、将来的に発行される可能性のあるArcusトークンの割り当てがdYdXコミュニティ向けに確保される予定であるとされています。
一方で、dYdX Foundationは、ArcusがdYdX Labsによって開発された独立した製品であることを強調しています。既存のdYdX Chainは今回の提携やリブランドによる影響を一切受けず、コミュニティによるガバナンスのもとで引き続き独立して稼働を継続します。
ポイント
- dYdX LabsとRobinhood Cryptoの共同開発:dYdX Labsがプロトコルをリブランドし、Robinhood Cryptoと共同で新DEX「Arcus」を構築しました。
- 株式とパーペチュアルのハイブリッド取引:95種類のトークン化株式の取引とパーペチュアル取引を組み合わせ、トークン化株式を担保にした取引やプレIPO市場へのアクセスを提供します。
- ArbitrumベースのRobinhood Chainを採用:同日にメインネットが稼働したArbitrumベースのレイヤー2「Robinhood Chain」上で展開し、取引速度やユーザー体験の向上を図ります。
- 既存のdYdX Chainは独立を維持:新プラットフォームのローンチは既存のdYdX ChainやDYDXトークンに影響を与えず、独立したプロジェクトとして並行して運営されます。
- 新たなリーダーシップ体制:ArcusのCEOにはEddie Zhang氏が就任し、dYdX創設者のAntonio Juliano氏は取締役として戦略を支援します。