インドの税務当局の調査により、暗号資産取引を行った市民のうち、実際に納税申告を行った割合が4分の1未満にとどまることが明らかになりました。この事実は、同国における暗号資産市場の普及と、規制や課税執行の間に大きなギャップが存在することを示しています。市場規模が拡大する一方で、課税逃れへの対策や規制のあり方を巡る議論がさらに活発化する可能性があります。
納税申告の現状と追跡の困難さ
インドの税務当局の調査によると、同国で暗号資産取引を行った64万5,000人のうち、納税申告書でその取引を報告した人は4分の1未満にとどまったことが判明しました。
海外メディアの報道によると、このデータは2023年3月に終了した会計年度の取引を対象としたものとされています。インドでは暗号資産の利益に対して30パーセントの税金が課されていますが、実際の申告率は極めて低い水準にあります。
税務当局は、海外の暗号資産取引所やプライベートウォレットの利用、さらには現地通貨建てで行われる個人間のピアツーピア(P2P)取引が、取引の追跡や課税の執行を困難にしている要因であると指摘していると報じられています。これにより、本来回収されるべき税収の確保や、実質的な所有者の特定が難しくなっているとされています。
中央銀行の姿勢と市場への影響
税務申告の遅れや不備が指摘される一方で、インド準備銀行(RBI、同国の中央銀行)は暗号資産に対して厳しい姿勢を維持しているとされています。報道によると、中央銀行は国内の銀行や金融機関が暗号資産や民間発行のステーブルコインを保有・取引したり、それらへのエクスポージャーを持ったりすることを禁止するよう改めて求めているとされています。
税務当局の推計では、インド国内には5月末時点で約3,900万人の暗号資産トレーダーが存在し、その保有総額は21億ドルを超えているとされています。このように巨大なユーザーベースを抱えるインド市場において、規制の不透明さや申告漏れの多さは、今後のビジネス展開や法的なリスク管理において、Web3業界の事業者にとっても重要な監視ポイントとなります。
ポイント
- インドで暗号資産取引を行った約64万5,000人のうち、実際に納税申告を行ったのは4分の1未満にとどまることが税務当局の調査で判明しました。
- 海外取引所やプライベートウォレット、P2P取引の普及が、当局による取引の追跡や課税を困難にしていると指摘されています。
- インド準備銀行は、国内の金融機関が暗号資産やステーブルコインに関与することを禁止する方針を改めて求めていると報じられています。
- インドには約3,900万人のトレーダーがおり、21億ドル以上の資産を保有しているとされる中、30パーセントの暗号資産税に対するコンプライアンスの向上が今後の市場健全化の点で注目されます。