ロシアの最大手民間銀行であるAlfa-Bank(アルファ銀行)が、適格投資家を対象とした暗号資産(仮想通貨)取引のテストを開始したことが明らかになりました。この動きは、ロシア国内におけるデジタル資産の規制整備が進むなか、銀行業界が新たな暗号資産サービスの提供に向けて準備を進めている一環とされています。
適格投資家向けの取引テストと提供アセット
Alfa-Bankは、証券取引アプリ「Alfa-Investments」を通じて、一部の適格投資家を対象に暗号資産取引のテストを行っています。テスト対象には、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、テザー(USDT)などの主要なデジタル資産が含まれているとされています。ロシアにおける適格投資家とは、一定の資産額や経験などの基準を満たした投資家に限定された区分です。
デジタル保管庫の構築とパブリックブロックチェーンの活用
Alfa-Bankの最高執行責任者(COO)であるDmitry Vitman氏によると、同行は独自の「デジタル・デポジトリー(デジタル保管・管理を行う仕組み)」の構築を最優先課題としています。このデジタル保管庫は、顧客の暗号資産を安全に保管するだけでなく、取引の監視や、当局が許可していないアドレスへの送金制限などを行う役割を担う予定とされています。
また、同行はオープンな(パブリック)ブロックチェーンを基盤とした投資商品を開発し、海外からの投資家を誘致することで、国際市場での競争力を高める計画も進めています。
ロシアにおける法整備の進展と業界の競争激化
ロシアではデジタル資産に関する法整備が進行しており、新たな暗号資産規制法はすでに国家院(下院)で最終承認を受け、2026年9月1日に施行される予定とされています。追加の規制は同年11月初旬までに確定する見込みです。
新たな法制度が整備されることで、2026年末から2027年初頭にかけて一般(リテール)向けの暗号資産仲介サービスが提供される可能性があるとされています。ただし、市場で十分な流動性が確保されるのは2027年後半以降になると見通されています。
ロシア国内では、Alfa-Bankのほかにも、最大手銀行のSberbank(ズベルバンク)が2026年12月までに暗号資産ウォレットやデジタル保管庫の提供を計画しているほか、T-Bank、VTB、モスクワ証券取引所なども同様のサービス準備を進めており、銀行セクターにおける暗号資産市場への参入競争が本格化しています。
ポイント
- ロシア最大の民間銀行であるAlfa-Bankが、証券アプリを通じて一部の適格投資家を対象に暗号資産取引のテストを開始しました。
- 同行は独自のデジタルデポジトリー(デジタル保管庫)を構築し、暗号資産の安全な管理や取引監視を行う体制を整える方針です。
- 2026年9月1日に施行予定の新たな暗号資産規制法に合わせ、2026年末から2027年初頭にかけて一般向けサービスの展開が視野に入れられています。
- ロシア国内ではSberbankやVTBなど他の大手金融機関も参入を準備しており、規制に準拠した銀行系暗号資産サービスの競争が激化しています。