実店舗向け決済基盤を開発するINSPAY株式会社は、レイヤー1ブロックチェーンであるSuiのオリジナル・コントリビューターである米Mysten Labsと基本合意書を締結し、戦略的協業を開始しました。両社はSui上のステーブルコインを実店舗向けの決済ネットワークに統合し、日本国内での社会実装を進める計画です。その第一歩として、2026年7月13日と14日に東京で開催されるWebX 2026にて、Sui上のステーブルコインを用いた自動販売機決済デモが初公開されます。
実店舗への決済ネットワーク統合とアジア展開への展望
INSPAYとMysten Labsは、日本国内でのステーブルコイン決済の普及を目指し、将来的にはアジア太平洋地域への展開も視野に入れています。
今回の協業により、Sui上のステーブルコインがINSPAYの提供するリテール決済ネットワークに統合される予定です。これにより、国内の自動販売機、飲食店、小売店舗、イベント会場などの実店舗において、ステーブルコインによる決済が可能な環境の構築が進められます。
ガス代不要で1秒未満の迅速な決済を実現する技術
今回の決済基盤は、Suiブロックチェーンの特徴であるガスレス送金機能を活用しています。通常、ブロックチェーンの取引にはネットワーク手数料(ガス代)としてネイティブトークンが必要ですが、この機能により利用者はガス代を負担することなく決済が可能です。さらに、1秒未満で取引が確定する迅速な決済体験が提供されるとしています。
対応するステーブルコインには、米決済大手Stripe傘下のBridgeが発行し、2026年3月にSuiメインネット上でローンチされた米ドル建てステーブルコインであるSui Dollar(USDsui)や、Circleが発行するUSD Coin(USDC)などが予定されています。
利用者は、SuiのノンカストディアルウォレットであるSlushを通じて決済を行います。INSPAYは訪日外国人客との相性の良さを見込んでおり、将来的には日本円建てステーブルコインへの対応も検討するとしています。
実証実験の拡大とパートナー企業の募集
INSPAYはすでに国内でステーブルコイン決済の実証実験を展開しています。2026年7月1日からは、JPYC株式会社、HashPort、チェリオコーポレーションと連携し、京都市内の自動販売機で日本円建てステーブルコインであるJPYCを用いた決済の実証実験を開始しており、9月30日まで実施される予定です。
今回のMysten Labsとの協業に伴い、INSPAYはSui決済の実証実験(PoC)を一般参加者に開放するとともに、自社の決済基盤を導入する店舗や自動販売機などのPoCパートナーの募集を開始しました。Suiの公表データによると、ガスレス送金の提供開始後、Suiネットワークは2026年6月の5日間で約650億ドル相当のガスレスステーブルコイン送金を処理したとされており、実用的な決済インフラとしての稼働実績が示されています。
ポイント
- INSPAYとMysten Labsが基本合意書(MOU)を締結し、Sui上のステーブルコイン決済を日本の実店舗向け決済ネットワークへ統合する計画を発表しました。
- 2026年7月13日・14日に東京で開催されるWebX 2026にて、Sui上のステーブルコイン「USDsui」を用いた自動販売機での決済デモが初公開されます。
- Suiのガスレス送金機能を活用することで、利用者はガス代を支払うことなく、1秒未満で迅速に決済を完了させることができます。
- 決済にはノンカストディアルウォレット「Slush」を使用し、USDsuiやUSDCに対応するほか、将来的には日本円建てステーブルコインへの対応も検討されています。
- INSPAYはすでに京都市内での「JPYC」を用いた実証実験を開始しており、今回のSui決済についても導入店舗などの実証実験(PoC)パートナーの募集を開始しました。