暗号資産取引所ビットゲットの傘下で独立運営される暗号資産ウォレット「ビットゲットウォレット」のユーザー数が世界で1億人を突破しました [1]。2026年7月7日の発表によると、同ウォレットにおいて1日あたりの決済ユーザー数が取引ユーザー数をプラットフォーム史上初めて上回ったとのことです [1]。この成長は、東南アジアやアフリカ、ラテンアメリカといった新興市場における日常的な決済需要が牽引しています [1]。Web3技術が投機目的から実用的な決済インフラへと移行しつつある現状を示す事例として注目されます [1]。
新興市場における日常決済手段としての普及
発表によると、ビットゲットウォレットのユーザーの半数以上は、東南アジア、南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの新興市場に拠点を置いています [1]。これらの地域では、ウォレットを暗号資産の取引目的ではなく、資産の保管や給与の受け取り、日常の支払いなどを行う「グローバルなステーブルコイン口座」として利用する動きが広がっています [1]。
この利用実態はデータにも表れており、同ウォレットが提供する「ビットゲットウォレットカード」の発行枚数は15万枚を超えました [1]。現在は50以上の市場で展開され、1億5,000万以上の加盟店で利用可能となっています [1]。2026年上半期のカード利用額は3,100万ドル(約50億円)に達し、2025年下半期から191%増加しました [1]。特に新興市場における利用額は同期間に416%増加しており、世界平均を大きく上回る伸びを記録しています [1]。
法定通貨の不安定化と送金コストが需要の背景に
ビットゲットウォレットは、新興国における利用拡大の背景として現地の金融環境の課題を挙げています [1]。例えばナイジェリアでは、2024年に公式通貨ナイラの対ドル価値が40%以上下落しました [1]。またアルゼンチンでも、ペソ安や高インフレなど通貨を巡る不安定な状況が続いています [1]。さらに、これらの市場への従来型の国際送金では1回あたり平均5〜8%の手数料がかかるため、安定した価値を持つステーブルコイン口座への需要が高まっていると説明されています [1]。
同ウォレットのCOOであるアルビン・カン氏は、これらの市場における新たなユーザー層はウォレットを暗号資産として捉えているのではなく、ドル建ての残高を保有し、給与を受け取り、送金するための実用的な口座として利用していると指摘しています [1]。その口座が技術的にオンチェーン(ブロックチェーン上)に存在しているに過ぎないという、実需に基づいたWeb3の普及が進んでいると見られます [1]。
ポイント
- ビットゲットウォレットの累計ユーザー数が1億人を突破し、1日あたりの決済ユーザー数が取引ユーザー数を初めて上回りました [1]。
- ユーザーの過半数が東南アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどの新興国に集中しており、ステーブルコインを用いた日常決済や資産保管に活用されています [1]。
- ビットゲットウォレットカードの発行枚数は15万枚を超え、2026年上半期の利用額は前期比191%増(新興市場では416%増)の3,100万ドルに達しました [1]。
- 自国通貨の価値下落や高額な国際送金手数料といった現地の金融課題に対し、安価で安定したオンチェーン口座が実用的な解決策として受け入れられていると見られます [1]。