株式会社メタプラネット、株式会社メタプラネット証券(現:Siiibo証券株式会社)、JPYC株式会社、Progmat, Inc.の4社は、2026年7月10日にビットコイン、ステーブルコイン、およびセキュリティトークン(ST)を活用した「デジタルクレジット」領域における共同検討を開始したと発表しました。この取り組みは、社債などのクレジット性金融商品をブロックチェーン上で発行・管理することで、従来の資金調達市場が抱える課題の解決を目指すものです。特定のデジタル社債商品に限定せず、幅広いデジタルクレジット領域を対象としており、暗号資産と証券、ステーブルコインの機能を組み合わせた新たな金融市場の形成に向けた一歩として注目されます。
4社の役割分担と技術的アプローチ
共同検討を進める4社は、それぞれの専門領域や知見を活かして役割を分担します。
メタプラネットとメタプラネット証券は、ビットコインを中核資産とする財務戦略や上場会社としての投資家基盤、証券会社としての知見を活かし、ビットコイン関連商品とデジタルクレジット商品を組み合わせた商品設計を担います。さらに、審査や販売、投資家コミュニケーション、期中管理も担当する予定です。なお、メタプラネット証券は、現在のSiiibo証券株式会社が2026年7月13日付で商号変更する予定の社名です。
JPYC社は、ステーブルコインの発行や償還を担うとともに、メタプラネット証券と連携した社債などの発行に関する選択肢を検討します。
Progmat社は、セキュリティトークン(ST)の発行や管理、権利移転、保有者管理、譲渡制限、およびステーブルコイン決済との接続に関わる規制金融インフラを提供します。
資金調達市場の課題解決とProject NOVAの狙い
日本の資金調達市場では、社債を中心とするクレジット商品が大企業による公募発行に偏りやすく、中堅・成長企業にとっては発行事務や投資家管理、利払い・償還などの実務負担が重いという課題があります。
利息や償還などのキャッシュフローがあらかじめ定義されているクレジット商品は、権利管理や決済のデジタル化との親和性が高いとされています。4社は、ビットコインを裏付け資産とするデジタルクレジットが、将来的には24時間365日グローバルに取引・決済され、保有期間に応じて日割りで利息や分配が発生する金融商品に発展する可能性を見込んでいます。
今回の検討は、メタプラネットが推進する「Project NOVA」構想の一環でもあります。同構想は、ビットコインを単なる保有資産としてだけでなく、信用補完や価値保存、担保としての機能を持つ基盤資産と位置づけ、ステーブルコイン決済やデジタル証券などを組み合わせて新たな利回り商品や資本市場アクセスを提供することを目指しています。
今後の展開と実務検証
現時点では、具体的な発行時期や発行条件、利回り、商品内容、販売方法、提携形態などは確定していません。
4社は今後、法令や規制上必要な手続き、各社の機関決定、実務や技術面での検証、関係当局との協議を前提に検討を進める方針です。従来の証券インフラとオンチェーン上の取引・決済インフラを接続する枠組みが必要になるため、法規制対応や技術面の検証を慎重に進めたうえで、具体的な内容が改めて公表されると見られます。
ポイント
・メタプラネット、メタプラネット証券、JPYC、Progmatの4社が、ビットコイン、ステーブルコイン、セキュリティトークンを活用したデジタルクレジット領域の共同検討を開始しました。
・中堅や成長企業の社債発行における実務負担という課題に対し、ブロックチェーン技術を用いた権利管理や決済・分配のデジタル化によって解決を図る点で注目されます。
・メタプラネットが掲げる「Project NOVA」構想に基づき、ビットコインを信用補完資産とする新たな金融商品の創出を目指しています。
・現段階で具体的な商品設計や発行時期は未定であり、今後は各社の機関決定や法規制対応、関係当局との協議を経て検証が進められる予定です。