米国のビットコインマイニング企業であるCleanSparkは、ジョージア州サンダースビルのキャンパスにおけるデータセンターについて、非公開のグローバルテクノロジー企業と20年間にわたるインフラ賃貸契約を締結しました。この契約により、同社は初期期間中に約66億ドルの契約売上高を確保する見込みです。この動きは、ビットコインマイニング企業が暗号資産マイニングにとどまらず、人工知能(AI)や高性能計算(HPC)に対応するデジタルインフラの提供へと事業を多角化させる重要な事例として注目されています。
契約の概要と財務的な影響
CleanSparkが発表した契約は、ジョージア州サンダースビルキャンパスのデータセンター施設を対象とした、20年間のトリプルネット(NNN)インフラ賃貸契約です。トリプルネット契約とは、テナントが税金や保険、維持管理費などの運営コストの大半を直接負担する構造を指すとされています。
この契約における初期期間の契約売上高は約66億ドルに上る見込みです。さらに、5年間の延長オプションが2回用意されており、これらがすべて行使された場合、総契約価値は最大で約116億ドルに達する可能性があると発表されています。CleanSparkは、この契約により年間平均で約3億3,000万ドルの純営業利益(NOI)がもたらされ、その利益率はほぼ100パーセントに達すると試算しています。
対象となる施設と今後のスケジュール
賃貸の対象となるのは、サンダースビルキャンパスにおける175メガワット(MW)のクリティカルIT負荷に対応するデータセンター施設です。この施設では、AIや高性能計算(HPC)などの多様なコンピューティング負荷に対応する生産グレードのインフラが展開される予定とされています。
今後のスケジュールとして、最初の施設提供(デリバリー)は2027年第4四半期から開始される計画です。
さらに、今回の契約に関連して、同じテナントとの間でテキサス州における最大885メガワットの電力容量を持つポートフォリオ(セーリおよびブラゾリアのキャンパスを含む718エーカーの土地)に関する意向表明書(LOI)および独占交渉合意も締結されたと発表されています。
ブロックチェーン業界における意義とビジネスへの影響
今回の出来事は、Web3業界やブロックチェーン業界のビジネスパーソンにとって、ビットコインマイニング企業が保有する「電力と土地(エネルギーインフラ)」の価値が再評価されていることを示す象徴的な動きと捉えられます。
ビットコインマイニング事業は、暗号資産市場のボラティリティや半減期による報酬減少などの影響を受けやすい側面があります。これに対し、CleanSparkのように確保済みの電力インフラをAIや高性能計算向けデータセンターとしてグローバルテック企業に賃貸するビジネスモデルは、長期かつ安定した実質的なキャッシュフローをもたらす可能性があります。
マイニング企業が単なる暗号資産の採掘者から、AI時代のデジタルインフラプラットフォームへと進化を遂げる「コンピュートピボット(計算資源への転換)」の動きは、今後の業界トレンドを占う上で極めて重要な意味を持つと見られます。
ポイント
- CleanSparkが非公開のグローバルテクノロジー企業と20年間のデータセンターインフラ賃貸契約を締結しました。
- ジョージア州サンダースビルの175メガワットの施設を対象とし、初期期間の契約売上高は約66億ドルに達する見込みです。
- 5年間の延長オプションが2回行使された場合、契約価値は最大約116億ドルに上る可能性があります。
- 最初の施設提供は2027年第4四半期から開始される予定となっています。
- テキサス州の最大885メガワットの電力ポートフォリオに関しても、同テナントとの間で独占交渉の意向表明書が交わされています。
- ビットコインマイニング企業がAIや高性能計算向けのデジタルインフラプロバイダーへと多角化する、業界の大きな転換点を示す事例として注目されます。