2026年FIFAワールドカップの開幕初月において、予測市場(将来の出来事の予測を取引する市場)の月間取引高が500億ドルを突破したことが明らかになりました。この記録的な取引規模は、従来のスポーツブック(スポーツ賭け業者)を上回る勢いを見せています。本稿では、ワールドカップを契機とした予測市場の急成長の背景と、主要プラットフォームの動向について解説します。
ワールドカップを契機とする予測市場の爆発的成長
2026年FIFAワールドカップの開幕に伴い、予測市場は過去最大の盛り上がりを見せています。CoinDeskの報道によると、ワールドカップの最初の1ヶ月が終了した時点で、予測市場全体の月間取引高は500億ドルに達しました。
データ分析会社Artemisなどの調査によると、この取引高は前月の約257億ドルから約75%増加したとされています。2022年に開催されたカタール大会の際、大手予測市場プラットフォームであるPolymarketでのワールドカップ関連取引がわずか13万8,000ドルにとどまっていたことと比較すると、今回の成長は極めて顕著なものとなっています。
主要プラットフォームの動向と市場シェア
今回の取引高の急増は、主に米国規制下の予測市場プラットフォームやWeb3プラットフォームによって牽引されたとされています。
Kalshi:米国で規制された予測取引所であるKalshiは、月間取引高が約330億ドルに達したとされており、そのうちワールドカップ関連の取引が約74億ドルを占め、市場の最大のシェアを占めたとされています。
Polymarket:Web3大手のPolymarketは、国際市場および米国市場を合わせて140億ドルの取引高を処理し、そのうちワールドカップ関連が約64億ドルに達したとされています。
Rothera:Robinhood(ロビンフッド)とSusquehanna International Groupが支援する新興プラットフォームRotheraも、サービス開始初月に約20億ドルの取引高を記録したとされています。
Web3業界および金融市場への影響
今回の出来事は、予測市場が暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの枠を超え、一般のユーザー層に広く浸透しつつあることを示しています。
Bitget Walletの調査によると、Polymarketのアクティブユーザーのうち約60%は過去にオンチェーン(ブロックチェーン上)での取引履歴がないとされており、予測市場が新たなユーザー層をブロックチェーンエコシステムへ呼び込む強力なチャネルとして機能していると見られます。
一方で、急激な市場拡大に伴い、米商品先物取引委員会(CFTC)による規制強化の動きや、複数の州当局による無許可のスポーツ賭博に対する懸念など、法的な議論も進められているとされています。
ポイント
- 2026年FIFAワールドカップの開幕初月に、予測市場の月間取引高が史上初めて500億ドルを突破しました。
- この急成長は従来のスポーツブックを凌駕する規模であり、予測市場が新たなスポーツ観戦・取引のインフラとして台頭していることを示しています。
- 米国規制下のKalshiが約330億ドル、Web3大手のPolymarketが約140億ドルの取引高を記録し、市場を牽引したとされています。
- Polymarketのユーザーの約60%にオンチェーン取引履歴がないとされており、新規ユーザーの獲得チャネルとしての重要性が高まっています。
- 急激な成長に伴い、規制当局によるスポーツイベントを対象とした契約への規制動向や、無許可の賭博を巡る法的な議論が活発化しているとされています。