山形県西川町、ふるさと納税返礼品にブロックチェーン技術「SHIMENAWA」を導入

山形県西川町は、ふるさと納税の返礼品において、SBIトレーサビリティが提供するブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティサービス「SHIMENAWA(しめなわ)」を導入しました。この取り組みは、返礼品が正規品であることを示す真正性の確認に加え、寄付者に対して地域の魅力や寄付金の使途を伝えることで、継続的な関係人口の創出を目指すものです。地方自治体におけるWeb3技術の社会実装事例として、今後の地域活性化に向けた活用が期待されます。

ふるさと納税返礼品への「SHIMENAWA」導入の背景と目的

山形県西川町、ふるさと納税返礼品にブロックチェーン技術「SHIMENAWA」を導入

西川町は、出羽三山の月山と朝日連峰の朝日岳に囲まれた自然豊かな町で、ふるさと納税の返礼品として白桃やラ・フランス、そばなどを提供しています。近年、同町ではふるさと納税制度の利用拡大に伴い、返礼品の多様化や流通量の増加が進んでいます。

その一方で、返礼品が正規品であることを分かりやすく示す仕組みや、寄付者に自治体の魅力や寄付金の使途を十分に伝える仕組みの必要性が高まっていました。さらに、一度の寄付にとどまらず、継続的に自治体との関係を築いていく関係人口の創出は、西川町だけでなく全国の自治体に共通する課題となっています。このような背景から、同町は課題解決の基盤づくりとして今回の「SHIMENAWA」導入を決定しました。

NFCタグとブロックチェーンによる仕組みと期待される効果

今回の取り組みでは、西川町のふるさと納税返礼品に直接、NFC(近距離無線通信)タグ付きのシールを貼付します。近距離無線通信(NFC)は、対応するスマートフォンを近づけることで、記録された情報の読み取りや各種コンテンツへのアクセスができる無線規格とされています。

寄付者は、自身のスマートフォンでこのNFCタグにアクセスすることで、手元に届いた返礼品が正規品(真正性)であることを確認できます。

さらに、寄付者は「SHIMENAWA」を通じて、返礼品に紐づく各種情報にアクセスすることが可能です。商品のスペックやブランドのこだわり、ストーリーなどを画像やテキストを通じて伝えることで、自治体や返礼品への理解が深まり、寄付への実感や当事者意識の向上が期待されます。

西川町にとっては、寄付者との継続的な接点を持つことで、関係人口とのつながりの維持・強化や、継続的なふるさと納税先として想起される基盤づくりが可能になるとされています。

技術的背景と多分野への導入実績

「SHIMENAWA」は、ICタグ(RFID/NFC)とブロックチェーン技術を用いて、現物資産やカードなどに固有IDを付与し、関連情報を一元的に記録・管理するトレーサビリティサービスです。真正性の確認や利用・配布履歴の記録、タグ経由でのデジタルコンテンツ配信、入出荷・在庫管理などに対応しています。

本サービスのシステム基盤には、米R3が開発したエンタープライズ(企業・組織)向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」が活用されています。Cordaは情報の改ざんを防ぎつつ、信頼性の高いデータ管理を可能にする特徴を持つとされています。

SBIトレーサビリティは2021年4月に設立された、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティサービスなどを提供するSBIホールディングスの100%子会社です。「SHIMENAWA」のサービス開発においては、株式会社digglue(ディグル)がトレーサビリティ・アプリケーションを担当し、IT FORCE株式会社が消費者向けアプリケーションを担当しました。

「SHIMENAWA」はこれまでにも、坂城葡萄酒醸造のワイン、LFC JAPANの天然ターコイズジュエリー、福島銀行の定期預金ノベルティのお米、「獺祭」で知られる旭酒造の日本酒など、ブランド保護や真正性証明が求められる多様な商品に採用されてきました。今回のふるさと納税への導入は、民間商品にとどまらず、地方創生や行政サービスにおけるブロックチェーン技術の活用領域を広げる事例として位置づけられます。

ポイント

  • 山形県西川町のふるさと納税返礼品に、SBIトレーサビリティの「SHIMENAWA」が導入されました。
  • 返礼品に貼付されたNFCタグにスマートフォンでアクセスすることで、寄付者は返礼品の真正性(正規品であること)を確認できます。
  • 寄付者は返礼品に紐づくストーリーや自治体の魅力に関する情報にアクセスでき、自治体への理解深化や当事者意識の向上が期待されます。
  • システム基盤には、信頼性と耐改ざん性に優れたエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda」が活用されています。
  • これまでワインやジュエリー、日本酒などで実績のある技術を地方創生に活用する試みであり、関係人口の創出や維持につながるかどうかの点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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