大手暗号資産取引所のOKXは、資産トークン化プラットフォームであるBacked Assetsが発行する「xStocks」を裏付けとした、米国株式およびETF(上場投資信託)のトークン化市場の提供を開始しました。このサービスでは、複数の発行体によるトークン化株式が「共有オーダーブック(Shared Order Book)」と呼ばれる単一の取引板に統合され、効率的な取引環境が提供されます。なお、規制上の理由から、米国およびEU(欧州連合)のトレーダーは取引対象外とされています。
共有オーダーブックによる流動性の統合
OKXが新たに導入した「統合型トークン化株式(Unified Tokenized Stocks)」市場では、異なる発行体が提供するトークン化株式を1つの共有オーダーブックに集約して取引を行います。これにより、これまでのトークン化資産で課題となっていた流動性の断片化を防ぎ、効率的な価格形成と円滑な取引が可能になるとされています。
このシステムは、Solana(ソラナ)およびOKX独自のレイヤー2ネットワークであるX Layer(エックスレイヤー)に対応しており、オンチェーンでの入出金をサポートしています。取引はUSDT(テザー)建てで行われ、暗号資産取引と同じアカウントインターフェースからアクセスできます。
主要な取扱銘柄と商品の仕組み
取引の対象となるのは、Apple(XAAPL)、NVIDIA(XNVDA)、Tesla(XTSLA)などの主要な米国株式や、S&P 500、Invesco QQQなどのETFを含む40以上の銘柄です。それぞれのトークン化資産は、裏付けとなる実際の株式やETFと1対1で担保されています。
本商品において、ユーザーは実際の株式を直接保有するわけではなく、原資産の価格変動に対するエクスポージャー(価格連動)を得る仕組みとなっています。そのため、通常の株主が持つ議決権などは付与されません。また、配当金については、発行体レベルで自動的に再投資され、保有するトークン(株式ユニット)の数が増加する形式で還元される仕組みが採用されています。
24時間取引の実現と対象地域の制限
トークン化株式の導入により、従来の金融市場(ウォール街)の取引時間外であっても、週末や祝日を含めて24時間365日の取引が可能になります。米国の株式市場が閉じている時間帯は、直近の終値と市場の推定値などに基づいてフェアバリュー(公正価値)が算出され、取引が継続されます。
一方で、本サービスは法的な規制に配慮し、米国およびEU(欧州連合)に居住するトレーダーによるアクセスや取引を厳格に禁止しています。これにより、地域の法規制を遵守しながら、グローバルな暗号資産ユーザー向けに伝統的金融資産へのアクセスを提供する方針をとっていると見られます。
ポイント
- 複数の発行体のトークン化株式を単一のオーダーブックに統合し、流動性を集約する仕組みを導入した点で注目されます。
- 裏付け資産には、1対1で実際の株式やETFに担保されたBacked Assetsの「xStocks」が採用されています。
- 暗号資産と同じ口座からUSDTを用いて、24時間365日いつでも米国株やETFの価格変動に投資できるようになりました。
- ユーザーに直接の株主権や議決権は付与されず、配当はトークン数の増加として自動再投資されます。
- 規制遵守のため、米国およびEUのトレーダーはサービス対象外となっています。