ロシア連邦議会の下院である国家院は、暗号資産(仮想通貨)の包括的な規制法案に関する第2および第3読会(最終審議)を火曜日に実施する予定です。この法案には、一般投資家を保護するための投資ルールや、国際的なクロスボーダー決済に関する規定が盛り込まれています。可決されれば、ロシア国内における暗号資産の法的枠組みが整備され、ビジネスや投資活動における不透明感が解消されると見られています。
法案の目的と背景
ロシア下院で審議される「デジタル通貨およびデジタル権利」に関する法案は、同国の金融市場委員会のアナトリー・アクサコフ委員長によって進められています。この法案の主な目的は、ロシア国内における暗号資産の適法な利用に向けた法的枠組みを構築し、関連する詐欺や違法行為を防止することです。
一方で、国際ビジネスにおいて暗号資産を決済手段として利用したい事業者に対し、法に準拠した手段を提供することも目指しています。これにより、国内の違法利用を抑えつつ、国際取引の利便性を確保する狙いがあるとされています。
投資家向けの規制と取引制限
法案では、投資家の保護と市場の安定化を目的に、暗号資産の購入制限が設けられています。
一般投資家(非適格投資家)は、法律で定義される高流動性の暗号資産のみを購入することが認められますが、事前に専門のテストに合格する必要があります。さらに、取引額にも以下のような制限が課される予定です。
一般投資家の場合、単一の仲介業者を通じた年間の購入上限額は30万ルーブル(約3800ドル)に制限され、海外への送金上限額は10万ルーブルとされます。一方で、適格投資家については、年間の購入上限額が300万ルーブル、海外への送金上限額が100万ルーブルに設定されています。
また、本法案により暗号資産には財産としての地位が与えられ、これまでの法的なグレーゾーンから明確な法的管理下に置かれることになります。
不審な取引の防止と今後のスケジュール
法案には、金融機関が不審な暗号資産の送金を遮断する仕組みも盛り込まれています。銀行が非公認の受取人と疑う相手への送金を拒否できる権限を持たせることで、違法な資金流出を防ぐ仕組みが導入される見通しです。
この法案が承認された場合、主要な規定は9月1日に発効する予定とされています。これが実現すれば、ロシアに物品を供給する企業などが、決済手段としてデジタル資産を正式に利用できるようになります。
ポイント
- ロシア下院が火曜日に暗号資産規制法案の最終審議(第2・第3読会)を行います。
- 国内での違法利用を防ぎつつ、国際ビジネスにおけるクロスボーダー決済の合法化を両立させる狙いがあります。
- 一般投資家に対して、専門テストの実施や年間30万ルーブルの購入制限などの保護策が導入される点で注目されます。
- 暗号資産に財産としての法的地位を与え、市場の透明性を高めることが目指されています。
- 法案が可決された場合、主要な規定は9月1日に発効し、ロシアに物品を供給する企業などがデジタル資産を利用可能になる見通しです。