Tether社が発行する金裏付けのデジタル資産であるTether Gold(XAUT)が、アラブ首長国連邦のアブダビにおける国際金融センター「アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)」において、承認された現物コモディティ(Accepted Spot Commodity)として正式に認定されました。この認定により、ADGMのライセンスを保有する規制対象企業は、必要な規制上の許可を得ることで、XAUTに関連する現物コモディティサービスをクライアントに提供できるようになります。今回の決定は、中東地域におけるトークン化された現実資産(RWA)の規制フレームワークへの統合をさらに推し進めるものとして注目されています。
ADGMにおけるTether製品の規制準拠が拡大
ADGMによる今回の決定は、Tether Gold(XAUT)を規制された金融環境に組み込むための重要なステップとされています。ADGMは以前にも、同社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン(価格の安定性を目指した暗号資産)であるUSDt(USDT)を承認された法定通貨参照トークン(Accepted Fiat Referenced Token)として認定しており、今回のXAUTの追加によって同金融センター内におけるTether製品の規制準拠の範囲がさらに拡大しました。
TetherのCEOであるパオロ・アルドイノ氏は、この認定によりライセンス保有企業がXAUTを提供する明確な道筋が示されたとし、中東における規制されたデジタル金融や、トークン化された現実資産(ブロックチェーン技術を用いてデジタル化された現実世界の資産)の拡大を支援すると説明しています。また、ADGMの市場開発責任者であるアーヴィンド・ラマムルティ氏も、XAUTの追加が金融センター内の企業に提供される製品やサービスの選択肢を広げ、アブダビの金融エコシステムの発展を支えるものであると述べています。
拡大を続けるTether Goldとトークン化コモディティ市場
Tether Gold(XAUT)は、ロンドン・グッド・デリバリー(ロンドン貴金属市場協会が定めた金地金の規格)認定の保管庫に保管されている物理的な金地金と1対1で裏付けられた、ブロックチェーンベースのトークンです。各トークンは1トロイオンスの金を代表しており、イーサリアム(ERC-20)およびトロン(TRC-20)のブロックチェーン上で発行されています。実物の金への投資機会を、オンチェーンでの迅速な移転や透明性を維持しながら提供する仕組みとなっています。
DefiLlamaのデータによると、XAUTの預かり資産総額(TVL)は過去1年間で約8億2600万ドルから約28億6000万ドルへと3倍以上に急増しており、市場での需要が高まっています。さらに、RWA.xyzのデータによると、トークン化されたコモディティ市場全体の価値は約44億6000万ドルに達しており、これは約347億3000万ドル規模のトークン化現実資産市場全体の約13パーセントを占めているとされています。
また、XAUTの用途は取引やカストディ(資産の保管・管理)にとどまらず、2026年6月にはビットコインレンディングプラットフォームのLednが、今年後半にXAUTをローン担保として追加する計画を発表するなど、実用的な金融サービスへの応用も進められています。
ポイント
- Tether社が発行する金裏付けトークン「Tether Gold(XAUT)」が、アブダビの金融センター「ADGM」で承認現物コモディティに認定されました。
- ADGMのライセンスを持つ金融機関や企業は、必要な規制上の許可を得ることで、規制に準拠した形でXAUT関連のサービスを提供できるようになります。
- Tether社にとっては、ステーブルコインUSDTの承認に続く、ADGM内での規制対応製品の拡大となります。
- XAUTの預かり資産総額(TVL)は過去1年間で約8億2600万ドルから約28億6000万ドルへと3倍以上に急増しており、トークン化現実資産市場での存在感を高めています。
- 今後、ビットコインレンディングプラットフォーム「Ledn」において、XAUTを担保とした融資サービスが今年後半に開始される予定です。