WanchainのCardanoブリッジから大量のMidnightトークンが流出、価格は過去最安値を記録

マルチチェーンブリッジプロトコルであるWanchainが提供するCardanoブリッジにおいて、暗号資産Midnight(NIGHT)が約5億1,500万枚不正に流出するハッキング被害が発生しました。この流出規模は同ブリッジに保管されていたNIGHTトークンの約97%に相当するとされています。この影響を受け、NIGHTトークンの価格は過去最安値となる0.01524ドルまで急落しました。Wanchainは現在、原因調査のためにブリッジの稼働を一時停止しています。

5億1,500万NIGHTが不正流出、DEXでの売却により価格急落

WanchainのCardanoブリッジから大量のMidnightトークンが流出、価格は過去最安値を記録

今回のインシデントでは、WanchainのCardano側ロックアドレスから約5億1,500万枚のNIGHTトークンが流出しました。このアドレスは、BNB Chain上で発行されるWanchain-wrapped NIGHT(ブリッジされたトークン)の裏付け資産を保管していました。

オンチェーン分析によると、攻撃者は流出したトークンのうち約3億枚をCardanoエコシステム内の分散型取引所で迅速に売却したとされています。これによりNIGHTトークンの市場価格は一時30%以上急落し、過去最安値である0.01524ドルを記録しました。なお、被害に遭ったのはNIGHTトークンのみであり、その他のブリッジ資産への影響は確認されていません。

技術的要因:署名再利用の脆弱性が原因か

ブロックチェーンセキュリティ企業BlockSecの初期分析によると、今回の不正流出の原因は、WanchainのCardanoブリッジにおける「署名再利用(signature reuse)」の脆弱性にある可能性が指摘されています。

ブリッジのスマートコントラクトに存在するバリデータが署名用のメッセージをエンコードする際、複数のデータフィールドを明確な区切り文字なしで結合していたため、異なるデータセットから同一のバイト列が生成され、署名が不正に使い回された可能性があるとされています。

Midnight財団の対応と主要取引所による資産凍結

Midnightのプロジェクトを推進するMidnight財団(Midnight Foundation)は声明を発表し、今回のインシデントはサードパーティであるWanchainのブリッジインフラに起因するものであり、Midnightネットワークのコアインフラ、バリデータ、合意形成システムは正常かつ安全に稼働を続けていると説明しました。

さらに、財団はKuCoin、Kraken、Binance、Bybit、OKX、Gate、MEXCなどの主要な暗号資産取引所と連携し、攻撃者に関連するアドレスのブラックリスト登録や、NIGHTトークンの入出金一時停止などの措置を講じています。これにより、盗難された資産の移動を制限する取り組みが進められています。

ポイント

  • Wanchainが提供するCardanoブリッジから、約5億1,500万枚のNIGHTトークンが不正に流出しました。
  • 流出したトークンはブリッジのNIGHTリザーブの約97%に相当し、DEXでの大量売却によりトークン価格は過去最安値となる0.01524ドルまで急落しました。
  • セキュリティ企業BlockSecは、ブリッジの署名メッセージのエンコード処理における脆弱性が原因となった可能性を報告しています。
  • Midnight財団は、Midnightネットワーク自体の安全性には影響がないことを明言し、主要取引所と連携して盗難資産の移動を制限する対策を講じています。
  • Wanchainは現在、ブリッジを一時停止して原因の調査を進めています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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