Movementブロックチェーンの初期開発を担当したMVMT Labs(Movement Labs)が、2026年7月15日に米国デラウェア州で連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請しました。同社はトークンローンチに関する内部調査や大手取引所での禁止措置、事業転換など、相次ぐ混乱に見舞われていました。申請を受け、ネイティブトークンであるMOVEは過去最安値となる0.0104ドルまで下落しています。一方で、2025年からエコシステム開発を引き継いでいる別法人のMove Industriesは、自社の事業運営には影響がないと表明しています。
破産申請に至る経緯とこれまでの混乱
Movementブロックチェーン(Move言語を用いたEthereumの拡張プロトコルとして知られています)の元開発会社であるMVMT Labsは、数ヶ月にわたる混乱を経て2026年7月15日にデラウェア州で破産法第11条の適用を申請しました。
今回の破産申請の背景には、複数の重大な問題が重なったことが挙げられます。同社では、物議を醸したマーケットメイキング契約や、ネイティブトークンであるMOVEのローンチに関する内部調査が実施されていました。さらに、同社のマーケットメーカーに関連して仮想通貨取引所Binance(バイナンス)での取引禁止措置を受けたほか、主要事業をEthereum(イーサリアム)のスケーリング開発から国際決済(クロスボーダー決済)へと土壇場で転換(ピボット)するなど、迷走が続いていたとされています。
MOVEトークンの過去最安値更新とMove Industriesの見解
MVMT Labsの破産申請が明らかになった数日後、ネイティブトークンであるMOVEの価格は史上最安値となる0.0104ドルまで下落しました。プロジェクトを巡る混乱と開発元の破産手続き開始が市場の不確実性を高めた結果と見られます。
一方で、エコシステム開発の現場では事業継続に向けた主張も示されています。2025年にエコシステム開発を引き継いだ別会社であるMove Industriesは、MVMT Labsの破産手続きについて「自社の事業運営には一切影響しない」とコメントしています。開発主体とエコシステム運用主体が法律上分離されていたことにより、Move Industries側は通常通りの業務を継続できる状態にあるとの見解を示しています。
Web3業界およびビジネスへの影響
本件は、Web3プロジェクトにおけるマーケットメイキングやトークンローンチに関するガバナンス体制が、プロジェクトの存続に直結するリスクを持つことを浮き彫りにしました。不透明な流動性供給契約や内部トラブルが、初期開発会社の破産という深刻な結末を招いた事例と言えます。
また、初期開発法人(MVMT Labs)とエコシステム推進法人(Move Industries)を別会社として分離していた組織構造が、開発元の破産という事態において実効性を持つかという点でも注目されます。トークン価格が大幅な下落に見舞われつつも、エコシステム全体の開発が維持できるかどうかは、同様の組織体制をとる他のブロックチェーンプロジェクトにとっても重要な示唆を与える可能性があります。
ポイント
- Movementブロックチェーンの初期開発元であるMVMT Labsが2026年7月15日にデラウェア州で破産法第11条を申請しました。
- 申請の背景には、マーケットメイキング契約を巡る問題、MOVEトークンローンチの内部調査、Binanceでの禁止措置、事業の急なピボットがありました。
- 破産申請を受け、MOVEトークンは過去最安値となる0.0104ドルまで落込みを見せました。
- 2025年にエコシステム開発を引き継いだ別法人のMove Industriesは、破産案件が自社の事業に影響しないと説明しています。
- ガバナンスや流動性提供のリスク、ならびに開発元と運営組織の分離構造のあり方を示す事例として注目されます。