アルパカが米ブロードリッジと提携、トークン化株式への議決権行使機能を統合

証券基盤APIを提供するアルパカ(AlpacaDB, Inc.)は、米金融テクノロジー大手のブロードリッジ・フィナンシャル・ソリューションズとの提携を発表しました。この提携により、トークン化株式を保有する投資家に対して、取締役選任や企業買収といった重要事項に関する議決権行使や開示資料の閲覧などのガバナンス機能が提供されます。従来型の株式取引で保証されている株主の権利や透明性をトークン化資産にも拡張する取り組みとして、Web3市場および金融業界における実用化の観点から注目されます。

トークン化株式向けガバナンス機能の統合と提供範囲

アルパカが米ブロードリッジと提携、トークン化株式への議決権行使機能を統合

今回の取り組みは、アルパカが提供する証券基盤API(Broker API)に、ブロードリッジの株主ガバナンス基盤を組み込む形で実施されます。アルパカのAPIを利用するパートナー証券会社等を通じて米国株などのトークン化株式を保有する投資家は、ブロードリッジの議決権行使プラットフォーム「ProxyVote.com」を利用できるようになります。

これにより保有者は、従来の株主と同様に取締役の選任や役員報酬の決定、企業買収などの経営意思決定に対する議決権行使が行えるほか、投資家向け情報の受領、開示資料の閲覧、議決権の照合が可能となります。また、ブロードリッジはセキュアなメッセージング機能や投資家向けコミュニケーション機能もデジタル資産基盤に統合する方針を示しています。

トークン化市場におけるガバナンス拡張の意義

トークン化株式とは、既存の株式をブロックチェーン上のトークンとして発行し、暗号資産と同等の取引や保管を可能にした金融商品です。アルパカは、バイナンス、クラーケン(xStocks)、オンド(Ondo Global Markets)、ビットゲット、Dinariなどのパートナー向けにトークン化された米国株式やETFの裏付け資産保管サービスを提供しており、同社調べによると同分野での保管シェアは94%に達しています。

ブロードリッジおよびアルパカの経営陣は、トークン化証券が市場に普及するためには、取引利便性の向上だけでなく従来市場と同等の投資家保護やガバナンス体制の整備が必要であると言及しています。正確性や監査可能性、規制対応、透明性を備えたガバナンス機能を組み込むことが、トークン化投資商品の普及に向けた重要なステップになると見られています。なお、日本国内で第一種金融商品取引業などの登録を受けているAlpacaJapan株式会社は、暗号資産およびトークン化証券の取り扱いを行っていません。

ポイント

  • アルパカとブロードリッジの提携により、トークン化株式の保有者に議決権行使などの株主ガバナンス機能が提供されます。
  • ブロードリッジのProxyVote.comを通じ、取締役選任や企業買収などの経営意思決定への参加や開示資料の閲覧が可能になります。
  • アルパカの証券基盤API(Broker API)を通じて、パートナー企業の対応商品へ順次株主機能が組み込まれる予定です。
  • 保管シェア94%(同社調べ)を占めるアルパカの基盤にガバナンス機能が追加されることで、トークン化株式の信頼性と実用性が向上する点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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