金融庁が、金融行政のデジタル対応強化に向けて2027年度予算の概算要求で過去最大となる400億円規模を計上する方向で調整に入りました。従来の200億円台中心から前年度比で約6割の大幅な増加となる見通しです。暗号資産(仮想通貨)取引業者のモニタリング体制の強化や先端AIのリスク対策、耐量子計算機暗号(PQC)への移行支援などが盛り込まれており、デジタル環境の変化に対応した監督体制の構築が進められると見られます。
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暗号資産や先端AIに対応する監視・セキュリティ体制の強化

デジタル分野における投資として、AI(人工知能)を活用した市場監視およびモニタリング基盤の整備が進められます。サイバー攻撃への悪用が懸念される先端AI「フロンティアAI」へのリスク対応や、暗号資産取引業者のモニタリングを専門に担う人材の増員も行われる方針です。
あわせて、金融機関のサイバーセキュリティ対策の強化が図られます。具体策として、量子コンピューターでも解読が困難とされる「耐量子計算機暗号(PQC)」への移行支援を推進する方針が示されています。また、関連施策として同庁は8月7日に暗号資産交換業者を含む17分野を対象としたサイバー報告様式の統一案を公表しており、監督指針等の改正に向けた手続きを進めています。
地域金融機関への支援拡充と検査体制の再編
今回の概算要求では、地域金融機関に対する支援拡充も盛り込まれました。地方銀行や信用金庫、信用組合による融資先企業の成長支援や事業再生支援を後押しするため、実証事業や人材マッチング基盤の活用、役職員向けの研修などが実施される見込みです。この研修においては、官民ファンドの地域経済活性化支援機構や証券会社との連携が予定されています。
さらに、近年不祥事が相次いでいる信用金庫や信用組合への対応として、金融機関検査の司令塔となる「検査企画室(仮称)」が新設される方針です。なお、要求される予算の具体的な金額については、今後の財務省による査定を経て最終決定される見通しとなっています。
ポイント
- 金融庁が2027年度予算の概算要求において、前年度比約6割増となる過去最大の400億円規模を計上する調整に入った点で注目されます。
- 暗号資産取引業者のモニタリングやフロンティアAIのリスク対応にあたる専門人材の増員が盛り込まれています。
- AIを活用した市場監視基盤の整備や耐量子計算機暗号(PQC)への移行支援など、高度なセキュリティ対応が推進される計画です。
- 地域金融機関への人材育成支援に加え、検査体制の司令塔となる「検査企画室(仮称)」の新設が計画されています。
- 正式な予算額は今後の財務省査定を経て決定される予定です。